2012年3月23日金曜日

アメリカ北東部スポーツビジネス研修プログラム 4日目 ニュージャージー→ニューヨーク

まだ3月にもかかわらず桜が開花しつつあるニューヨークで開催された研修プログラム4日目の訪問・視察先は、こちらになります。

1. MLB New York Mets/Citi Field
2. Wasserman Media Group
3. マンハッタンの公式アンテナショップ、フラッグシップストア
4. スポーツライター杉浦大介様との懇親会

1. MLB New York Mets/Citi Field
4日目は先ず、Vice President, Guest ExperienceのCraig Marino氏より、MLB New York Metsの本拠地Citi Fieldをご案内頂きながら、各施設の特徴やMetsの歴史についての解説を受けました。

1962年、ナショナル・リーグ球団拡張に伴い誕生したMetsは、同じくニューヨーク市を本拠地に置くNew York Yankeesと地元ニューヨークの人気を二分しています。常勝球団Yankeesと比較して、戦力、全国的な知名度共に遅れを取るMetsですが、1969、1986年に2度ワールドシリーズを制覇するなど、しばし予想だにしない快進撃を見せる事から、シンデレラストーリーを好むニューヨーカーの間では「Miracle Mets」の愛称で親しまれています。

9億ドル(約720億円)をかけて建設され、2009年にオープンしたばかりの新球場Citi Fieldは、MLBでプレイした初の黒人選手であるJackie Robinson氏が所属した事で有名なBrooklyn Dodgers(現Los Angeles Dodgers)の本拠地Ebbets Field(現在は取り壊されています)をモデルとしてデザインされています。これは、幼少の頃Brooklyn Dodgersの大ファンであった、ブルックリン出身のFred Wilpon球団オーナーの意向を受けているそうです。

旧本拠地Shea Stadiumと比較して、Citi Fieldの収容人数は1万5, 000人減少の4万1,800人となりましたが、代わりにスウィートルームを45室から54室へと増設し、アメニティーの充実したクラブシート7,800席を新設したそうです。

バックネット裏には2,090㎡の広さを誇り、プレミアチケット所有者のみアクセス可能なレストラン&バーラウンジ「Delta Sky 360 Club」、レフトスタンド側には高級レストラン「Acela Club」が設置されていました。

また、センター後方スコアボード裏の広大なスペースは、「2K Sports FanFest Area」と呼ばれ、ミニチュア野球場や、バッティングセンター、3 on 3バスケットボールコート、ビデオゲームコーナー等が設置されており、試合中も子供連れのファミリー層で賑わいを見せているそうです。

数だけでなく豪華さも増したスウィートルームや「Delta Sky 360 Club」、「Acela Club」、「2K Sports FanFest Area」等を視察する事で、Citi Field建設によって実現した収益性&娯楽性向上のための仕掛けを学ぶ事が出来ました。
 
また、「Jackie Robinson Rotunda」を視察した事で、人種の壁を打ち破り、現在ではYankeesを除くMLB29球団で現役時代の背番号42が永久欠番となっているRobinson氏が残した偉大な功績について、理解を深める事が出来ました。

Citi Field視察後は、毎ホームゲーム後にMetsの監督、GMが記者会見を行うメディアルームを利用し、Marino氏より、
  • Vice President, Guest Experienceとしての詳細な仕事内容、典型的な1日、及び1年の流れ
  • Metsが実践するカスタマーサービス・トレーニングプログラムの内容
  • Marino氏の現在に至るまでのキャリア過程、40歳を目前にして銀行業からベースボール業界へと転身し、編成部を経て、ビジネス部門へと移籍するまでの経緯
  • ベースボール業界への就職を目指す参加者へのアドバイス
に関するお話を伺う事が出来ました。
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2. Wasserman Media Group
午後は、MLBで活躍するダルビッシュ有選手、松井秀喜選手、高橋尚成選手らのエージェントとして日本でも馴染みの深い交渉代理人Arn Tellem氏が所属するWasserman Media Groupのニューヨークオフィスを訪問しました。

今回特別講義を行って下さったのは、Athlete Management Divisionを経て、現在はCEO Casey Wassermanに直属するZander Sotiriou氏、及びPartnership and Business Development DivisionのDan Carey氏です。

Sotiriou氏からは、世界随一のスポーツマネジメント/マーケティング会社WMGがフォーカスする各部門に関しての解説を受けました。
  • Global Media
  • Consulting
  • Partnership and Business Development
  • Athlete Management
  • Golf
  • Soccer / Football
  • Action Sports/Lifestyle
Carey氏かはら、NFL New York GiantsとJetsが共同使用するMetLife Stadiumの命名権獲得の経緯、Kansas City RoyalsやFortune 500企業へのマーケティング戦略立案など、Partnership and Business Development Divisionが行う業務内容をより深く解説して頂きました。
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3. マンハッタンの公式アンテナショップ、フラッグシップストア
高級デパートメントや一流ブランドショップが建ち並び、世界最大級の商店街の1つであるマンハッタン5番街に店舗を構えるリーグ公式アンテナショップNBA Storeと、
世界一のスポーツ用品メーカーNikeのフラッグシップストアNiketownを視察しました。

NBA StoreとNiketownといった公式アンテナショップとフラッグシップストアを巡った事で、チーム&リーグ経営を支えるグッズの種類の豊富さや、エンターテイメント性の高さ、アメリカにおけるスポーツグッズ市場の規模の大きさを体感する事が出来ました。
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4. スポーツライター杉浦大介様との懇親会
夜は、マンハッタン内の日本食レストランの個室にて、MLB、NBA、NFL、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行い、日本経済新聞、スラッガー、ダンクシュート、アメリカンフットボールマガジン、ボクシングマガジン等の多数の媒体に記事&コラムを寄稿している、ニューヨーク在住のスポーツライター杉浦大介様との懇親会を開催しました。 

杉浦様からは、アメリカ4プロ大スポーツリーグの取材現場における裏話や、スポーツライターという職業のやりがい、苦労等を伺いました。

特に、アマチュアボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターへと転身されたきっかけに関するストーリーは、参加者の心を揺さぶり、非常に刺激となったようでした。
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懇親会後は、グランドセントラルステーションから地下鉄に乗り、4日目の宿泊先であるニューヨーク市内のホテルへと到着しました。

明日5日目は、いよいよ実質アメリカ北東部スポーツビジネス研修プログラムの最終日となります。参加者の皆様が、最先端のエンターテイメントが集結する世界一の大都市ニューヨークにおいてファンを魅了し続けるスポーツビジネス現場を更に奥深く学んで頂けるよう、最後まで全力で走り抜けたいと思います。

アメリカ北東部スポーツビジネス研修プログラムに関するつぶやきはこちらから:ADM Twitter


ADMニューヨークスタッフ 三宮 伸也

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