2012年3月21日水曜日

アメリカ北東部スポーツビジネス研修プログラム 3日目 ボルティモア→ニュージャージー

湾から吹き込んで来る風に少し肌寒さを感じた、そんなボルティモアで開催された研修プログラム3日目の訪問・視察先は、こちらになります。

1. NFL Baltimore Ravens/M&T Bank Stadium
2. Pickles Pub
3. MLB Baltimore Orioles/Oriole Park at Camden Yards
4. Sports Legends Museum at Camden Yards
5. Babe Ruth Birthplace Museum

1. NFL Baltimore Ravens/M&T Bank Stadium
3日目は先ず、スタジアムガイド歴10年を誇るベテラン球団スタッフ様より、NFL Baltimore Ravensの本拠地M&T Bank Stadiumをご案内頂きながら、各施設の特徴や Ravens の歴史についての解説を受けました。

M&T Bank Stadiumは、 1996年7月、旧本拠地Memorial Stadiumの老朽化に伴い、2億2, 000万ドル(約170億円)の費用をかけて建設が開始されたそうです。1998年9月のオープン以来、その快適設備、アクセスの良さ、飲食物の種類と数の多さなどから、NFLの中でも最も地元住民から愛されているスタジアムの内の1つとして、高い評価を受けているそうです。

Baltimore Colts(現Indianapolis Colts)時代に殿堂入りした名QBであるJohny Unitas氏を始めとする、歴代の名選手達を称える看板をスタジアムの至る所に掲げており、紆余曲折を経て1996年に誕生したRavensが、ボルティモアの歴史と伝統を非常に大切にしている事が伺えました。

収容人数7万1, 008人を誇るM&T Bank Stadiumは、多目的スタジアムとして活用されており、Ravens公式戦以外にも、2009 World Football Challengeや、U2コンサートツアー、NCAA Men’s Lacrosse Championshipなど、数多くのイベントを開催して来たそうです。

年間12万ドル(約960万円)という高額にもかかわらず、30年待ち状態の続くスウィートルーム、フラットTVやマッサージテーブルなどの快適装備が充実するロッカールーム等を視察した事に加えて、フィールド上に実際に降り立ち、50ヤード付近からスタジアム全体を見上げた事で、NFLスタジアムの圧倒的な高級感と、スケールの大きさを体感する事が出来ました。
admsportsbiz-308325.jpg

2. Pickles Pub
M&T Bank Stadium視察後は、MLB Baltimore Oriolesの本拠地Oriole Park at Camden Yardsの目の前に立地するスポーツバー&レストラン「Pickles Pub」でランチを頂きました。

2日目に夕食を頂いた「Chickie’s & Pete’s」と同様に、スタジアム周辺にあるスポーツバー&レストランにて、地元ボルティモア住民と共にランチを取る事で、スポーツ系飲食ビジネスが地域社会にもたらす経済効果を実感する事が出来ました。

同時に、参加者の皆様にとっては、プロスポーツチームで働く事だけがスポーツ業界での就業ではないという、より広義なスポーツビジネス業界のキャリア選択肢に気付くきっかけとなったのではないでしょうか。
admsportsbiz-308326.jpg

3. MLB Baltimore Orioles/Oriole Park at Camden Yards
午後からは、Oriole Park at Camden Yardsを視察し、球団スタッフ様より、2012年シーズンにオープン20周年を迎えるOriole Parkの歴史と、アメリカ国内中のボールパークに与えた影響の大きさについての解説を受けました。

1億1, 000万ドル(約88億円)の費用を掛けて建設され、1992年にオープンしたOriole Park at Camden Yards は、1980年代後半までMLBで圧倒的に主流を占めていた「郊外にあるNFLチームと兼用の左右対称型多目的スタジアム」の流れを一変させ、1990年代中盤以降に建設ラッシュとなった「ダウンタウンにある左右非対称型レトロボールパーク」のトレンドを生み出した事で、非常に有名です。

オープン以降最初の10シーズンの平均観客動員数は、旧本拠地Memorial Stadium(Ravensと兼用)の最後の10シーズンのそれと比較して、約2万人近く増加し、2008年8月19日には、記念すべき5, 000万人目のファンを迎え入れました。オープンから17シーズン目での達成は、アメリカベースボール史上最速の記録だそうです。
 
この大きな成功を受け、1990年代中盤以降、他球団による近代的な快適装備を兼ね備えた「ダウンタウンにある左右非対称型レトロボールパーク」の建設ラッシュが始まりました。例えば、研修初日、2日目にそれぞれ視察した、新Yankee StadiumとCitizens Bank Park、そして明日午前中に訪問予定のNew York Metsの本拠地Citi FieldもOriole Park at Camden Yardsの影響を受けてデザインされました。

また、球団オフィスやパーティー会場、カフェテリア、スポーツバー、ギフトショップとして再利用される、ライトスタンド側にあるレンガ造りの旧鉄道倉庫を視察した事で、ボールパーク施設運用法について学ぶ事が出来ました。
admsportsbiz-308327.jpg

4. Sports Legends Museum at Camden Yards
Sports Legends Museum at Camden Yardsは、2005年にOriole Parkに隣接する形でオープンした、メリーランド州に縁のあるチームやアスリートを称えるためのミュージアムです。

ミュージアム内には、Orioles、 Ravens、Baltimore Colts、University of Maryland、ボルティモアを本拠地としたニグロベースボールチーム、ボルティモア出身の競泳のスーパースターMichael Phelps選手、高校時代をメリーランドで過ごしたNBA New York KnicksのCarmelo Anthony選手等にまつわる記念品の数々が展示されておりました。
admsportsbiz-308328.jpg

5. Babe Ruth Birthplace Museum
Babe Ruth Birthplace Museumは、1900年代当時、アメリカ国内に数多く存在するプロスポーツリーグの1つに過ぎなかったMLBを国民的スポーツの地位にまで押し上げ、「アメリカ球界最大の巨人」と評されるBabe Ruth氏の功績を称えるために、1974年にRuth氏の生家を改装してオープンしたミュージアムです。

年間6万人以上のベースボールファンが訪れる人気ミュージアム内には、Ruth氏が実際に試合で使用したバットやグローブ、当時を人気振りを物語る写真や雑誌、サイン入りボール等が所狭しと展示されておりました。
admsportsbiz-308329.jpg

Sports Legends Museum at Camden YardsとBabe Ruth Birthplace Museumを見学した事で、地元にポジティブな影響を与える現役アスリートや、歴史を紡いで来た過去の偉大な選手達を非常に大切にするアメリカのスポーツ文化を改めて実感しました。


Babe Ruth Birthplace Museum見学後は、ボルティモア湾付近に店舗を構える、地元住民御用達のシーフード店「L. P. Steamers」にて、ボルティモア名物のワタリガニや、Crab Cake(カニコロッケ)、生牡蠣等に舌鼓を打ちました。
admsportsbiz-308330.jpg

ディナー後は、車で約4時間ほど北上し、3日目の宿泊先であるニュージャージーへと戻って参りました。

明日も引き続き、アメリカ北東部スポーツビジネス研修プログラム4日目の様子をご紹介させて頂きますので、乞うご期待下さい。

アメリカ北東部スポーツビジネス研修プログラムに関するつぶやきはこちらから:ADM Twitter


ADMニューヨークスタッフ 三宮 伸也

0 件のコメント:

コメントを投稿