2012年3月21日水曜日

アメリカ北東部スポーツビジネス研修プログラム 2日目 フィラデルフィア→ボルティモア

最高気温が23℃まで上昇するなど、すっかり春の陽気に包まれたフィラデルフィアで開催された研修プログラム2日目の訪問・視察先は、こちらです。

1. MLS Philadelphia Union/PPL Park
2. MLB Philadelphia Phillies/Citizens Bank Park
3. South Philadelphia Sports Complex
4. Chickie’s & Pete’s
5. NHL公式戦Philadelphia Flyers対Florida Panthers@Wells Fargo Center

1. MLS Philadelphia Union/PPL Park
Philadelphia Union は、元々アメリカ国内においてサッカー熱の高かったフィラデルフィアで活動していたサポーターグループ「Sons of Ben(ベンジャミン・フランクリンの息子達)」による招致活動が結実する形で誕生し、2010年シーズンよりMLSに新規参入を果たしたプロサッカーチームです。

先ずは、Vice President MarketingのCara Joftis氏より、Unionの本拠地Parkをご案内して頂きながら、各施設の特徴や Union の歴史についての解説を頂きました。
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Joftis氏によると、Unionは、地元サッカーファンの厚いサポートを受け、チーム創設以来2シーズン連続でチケット完売率98%以上を記録し、2年目の2011年シーズンには早くもカンファレンス準決勝に進むなど、フィールド内外において成功を収めているそうです。

総工費5億ドル(約420億円)を掛け、2010年シーズンにオープンしたばかりのPPL Park(1万8,500人収容)は、10年2,000万ドル(約16億円)で命名権を結ぶ電力会社PPL EnergyPlusとの協力の下、MLSで唯一、水力と風力発電が産み出す再生可能エネルギーを100%利用して施設運営を行う、エコフレンドリーなサッカー専用スタジアムとして知られています。

勿論、スウィートルームやクラブシート、パーティーエリア等を視察する事で、PPL Parkが実現している収益性向上のための仕掛けも学ぶ事が出来ました。

PPL Park視察後は、チームのミーティングルームにて、Joftis氏による、
  • 地方都市フィラデルフィアにフランチャイズを置くマイナースポーツチーム故に直面するスポンサーシップ販売の苦労とポテンシャル
  • Unionが本拠地を置き、住民の大部分が貧困層であるチェスター郡に対するサッカーを通した地域振興活動
  • 大学卒業から、金融業Citizens BankのSponsorship Divisionを経て、現職に至るまでのJoftis氏のキャリア過程
に関する講義を受講しました。

2. MLB Philadelphia Phillies/Citizens Bank Park
Philadelphia Philliesは、昨シーズンまで5年連続ナショナル・リーグ東地区優勝(2007~2011年)を果たし、2008年には28年振りにワールドチャンピオンに輝いたMLB屈指の強豪球団です。

先ずは、Season and Group Sales RepresentativeのMike Fee氏に、4億6, 000万ドル(約368億円)をかけて、2004年にSouth Philadelphia Sports Complex内にオープンした本拠地Citizens Bank Park(収容人数4万3651人)をご案内して頂きました。

Philliesは2011年シーズンに主催したホームゲーム全81試合で、MLB第1位の観客総動員数368万718人というフランチャイズ記録を樹立しました。また、2011年シーズン終了時点まで204試合連続チケット完売という状態が続いており、フィールド上だけでなく、ビジネス面でも成功を収めています。

ロッカールーム内ではChase Utley選手、Shane Victorino選手のバットに触らせて頂いたり、ベンチ裏のバッティング練習場を覗いたりと、普段はPhillies関係者以外立ち入り禁止の施設を視察した事で、MLB球団運営の裏側を学ぶ事が出来ました。
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Citizens Bank Park視察後は、スウィートルームの一室を使用し、Fee氏と、上司であるGroup Tour & Sales RepresentativeのStephanie Nieland氏より、
  • 現在に至るまでのキャリア過程、多くの人々にとっての憧れであるMLB球団への就職をいかに勝ち取ったのか
  • 詳細な仕事内容、典型的な1日、及び1年の流れ、MLB球団で働く事のやりがいと苦労
  • 自身の経験、及び内部にいる立場から、 MLB球団への就業を目指す参加者へのアドバイス
について、それぞれ伺う機会を頂きました。

特に大学卒業から3年目であり、比較的年齢も近いFee氏のこれまでのストーリーは、これからスポーツ業界での活躍を目指す学生参加者にとって、非常に刺激に満ち溢れたものであり、目標実現のための学習意欲を刺激された様子でした。

3. South Philadelphia Sports Complex
視察を終えたばかりのCitizens Bank Parkが一角を成すSouth Philadelphia Sports Complexは、全米屈指のスポーツ都市フィラデルフィアにフランチャイズを置く4大プロスポーツチームが一箇所に集まる複合スポーツ施設です。

元々は1926年にフィラデルフィアで開催された万国博覧会の跡地を再開発する形で形成されたという歴史を持ち、万国博覧会閉幕後は、時代の流行と共に、大型ボウリング場、ドライブイン型映画館、水族館、ファーストフードチェーンなどが次々と建設されては、取り壊されていきました。

1996年にNBA Philadelphia 76ersとNHL Philadelphia Flyersが共同使用するWells Fargo Center、2003年にNFL Philadelphia Eaglesの本拠地Lincoln Financial Field、そして、2004年にCitizens Bank Parkがそれぞれオープンし、現存の形になっています。

参加者一同で、South Philadelphia Sports Complex内を散策し、Lincoln Financial Field内のEagles公式ストアや、3月30日にグランドオープニングする高級ダイニング施設、ショッピングモール、映画館を兼ね備えた大型総合エンターテイメント施設Xfinity Live! Philadelphiaを視察した事で、プロスポーツフランチャイズが都市再生計画に果たしている役割を実感する事が出来ました。
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4. Chickie’s & Pete’s
Chickie’s & Pete’sは、South Philadelphia Sports Complexから車で僅か5分という抜群のロケーションに店舗を構えており、世界最大のスポーツ&エンターテイメント専門ケーブルTV局ESPNが、2011年夏に実施した「北米スポーツバーNo.1決定戦」において、並み居る有名店を抑えて第1位に輝いたスポーツバー&レストランです。

客層の多くは地元フィラデルフィアの熱狂的なスポーツファンであり、この日も夜7時からWells Fargo CenterでFlyers戦が開催されるという事で、鮮やかなオレンジ色のFlyersのユニフォームを着用した方を非常に多く見かけました。
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また、Chickie’s & Pete’sのシンボルである、フィラデルフィア1の大きさを誇る216インチ型TVを始めとする無数のTVが、バー&ダイニングエリアだけでなく、トイレ内にも設置されており、スポーツファンが一瞬足りとも試合を見逃さない工夫が施されていました。

地元の熱狂的なスポーツファンが集まるChickie’s  & Pete’sを視察した事で、スポーツバー&レストランが地域社会に果たしている経済効果の大きさを実感する事が出来ました。

5. NHL公式戦Philadelphia Flyers対Florida Panthers@Wells Fargo Center
夜7時からは、NHLの中でも熱狂的なファンが多い事で有名なFlyersの公式戦を観戦しました。
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Wells Fargo Center内を埋め尽くした観客が一体となって応援するNHL公式戦の熱気と迫力を目の当たりにし、フィラデルフィアに根付いているスポーツ文化を体感する事が出来ました。


NHL公式戦観戦後は、車で約2時間ほど南下しまして、2日目の宿泊先であるボルティモアへと無事に到着しました。

明日も、引き続きアメリカ北東部スポーツビジネス研修プログラム3日目の様子をご紹介させて頂きますので、乞うご期待下さい。

アメリカ北東部スポーツビジネス研修プログラムに関するつぶやきはこちらから: ADM Twitter


ADMニューヨークスタッフ 三宮 伸也

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