2010年6月30日水曜日

New York Mets Family Day

Athletes Dream Management, Inc.ニューヨーク・スタッフの三宮 伸也です。

先週土曜日に、New York Metsの本拠地Citi Fieldで開催された「Mets Family Day」に、選手の御家族と共に参加して来ました。
メジャーリーグでは、日頃から家族のために殆ど時間の取れない選手達のために、多くの球団が「Family Day」なるイベントを開催しています。シーズン中の約半分は遠征に出かけており、週末でも仕事(=試合)を行っている選手達にとっては、職場(=球場)にいながら家族サービスの出来る非常に有難いイベントなのです。


今シーズンのNew York Metsは、6月26日に行われたMinnesota Twinsとのデーゲーム前に、「Mets Family Day」を企画しました。試合開始の約4時間前から、選手とその御家族は、グラウンドにおりて思い思いに楽しんでいました。観客席にはまだファンの方も入っていないため、選手達も非常にリラックスしており、子供たちの前での表情は、普段試合中には決して見せない「パパ」の顔になっていましたね!また、選手達と同様に、週末でも休みの取ることの出来ないフロント陣やトレーナーさんの御家族も、「Mets Family Day」に参加されていました。球団側が、このような「家族サービス」のためのイベントを催してくれること自体に、非常にアメリカらしさを感じることの出来た一日でした。

【子供達に大人気の「Mr. Mets」!!!】

「Mets Family Day」の詳しい様子は、ADM Facebookに写真付きで掲載しましたので、もし宜しければ、是非こちらにもお越し下さい。ADM Facebookには、写真に加えて、先日行われたSubwayシリーズや、Citi Field内の様子を収めた動画もアップしております。皆様に少しでも米国内の「リアルなスポーツの現場」の雰囲気を味わって頂けたら幸いです。今後とも、本Blogと共に、ADM Facebookも何卒宜しく御願い致します。

2010年6月26日土曜日

World Cup人気は地元サッカーリーグ人気の促進剤と成り得るのか?

Athletes Dream Management, Inc.インターンの釘田です

日本でのWorld Cupの盛り上がりは、ここアメリカの地にも聞き及んでいます。多くの国民が一丸となって、国を代表して戦っている選手たちを応援する。素晴らしい光景です(中には、単純にその雰囲気を楽しんでいる方も居るのかもしれませんが)。2002年の日韓共催World Cupのファンの盛り上がりは、間違えなく日本代表に更なる力を与え、World Cup参戦2度目にして、見事に決勝トーナメント入りを果たした訳です。そして4度目の挑戦となる今大会も

デンマーク戦大活躍だった本田圭介選手

ADMのブログでも過去2週に渡り、アメリカではサッカーが不毛の地という話をしました。しかし、「ワールドカップの露出でも紹介したように、今大会のWorld Cup人気は、アメリカ国民のサッカーへの姿勢において、多大な変化をもたらしているようです
格上とされ、アメリカ人の解説者でさえも負けを覚悟して臨んだ初戦のイングランド戦でのドロー。主審の大いに疑問の残る判定によって、初勝利を奪われてしまった第2戦のスロベニア戦。とにかく話題としてはこれ以上ない程豊富で、メディアからの「煽り」も絶えず行われた中で向かえた、運命の第3戦。このアルジェリア戦は、アメリカ東海岸時間で623日水曜日の午前10時キックオフとなりました。平日の午前10時から12時。ほとんどのアメリカ国民にとっては、既に仕事に取り掛かからなくてはならない、観戦という意味では喜ばしい時間帯ではありませんでした。そんな状況下、必然と言えば必然かも知れませんが、ESPN(スポーツ専門番組)がオンラインで配信していた試合映像へのアクセスが、今年45日に行われた、大学バスケットボールの決勝戦Duke vs. Bulterでの記録を上回り、スポーツイベントとしての史上最大アクセスを記録しました。ESPNによれば、110万人が少なくともこの試合中にアクセスをしたと発表しています。これに加え620万人がESPNの放送を観ており、アメリカサッカーを牽引してきたランドン・ドノバン選手による劇的な勝利の瞬間は、およそ450万の世帯で観戦されていたとESPNは報じています。これはアメリカサッカー史の中で最も多くの世帯数となります

【アメリカに劇的な勝利をもたらしたドノバン選手のゴールシーン】
アメリカサッカーファンにとって非常に残念な結果に終わってしまった、本日ベスト8の椅子を巡って行われた、U.S.A. vs. ガーナ戦。前試合の劇的な幕切れ、及びメディアの煽り効果が、国民の注目度に如実に現れました。それが世界規模の大会であろうと、サッカーの試合ならば比較的マイルドな興味しか示さなかったアメリカ人。私の友人たちも「ここまでサッカーの試合を積極的に観戦、またはチェックした(アメリカの試合に限らず)のは生まれて初めて」と言う程です。延長にまでもつれ込んだ末、12で惜しくも敗れてしまった本日のガーナ戦ですが、試合直前にESPNで行われた「あなたは今日のサッカーの試合を観ますか?」と題した調査では、およそ80%の回答者が「観る」と答えていました。また、World Cup人気は元米国大統領である、ビル・クリントン氏の予定までも狂わせたみたいですね。アルジェリア戦を現地で観戦した同氏は、試合後に選手のロッカールームに行き、後に自らの声が出なく成る程に選手と歓喜したようです。サッカー好きで知られる同氏は2018年または2022World Cupのアメリカ開催を実現させるべく、南アフリカを訪問していた訳ですが、アメリカ代表が決勝トーナメントに駒を進めたことを受け、土曜日に行われる試合を観戦する為に、金曜日に予定していたMalawi訪問を延期したようです

【クリントン元大統領とミック・ジャガー氏】

今大会の名物応援グッズとなったブブゼラ。海を越え、スポーツを超えてMLBにまで影響を与える程(マーリンズがギブアウェイとして活用)、今回のWorld Cupは全米を巻き込んでの話題となっています。そんな光景を見ていると、ふとWorld Cupが不思議なものに思えてくることがあります。World Cup年には、こうした国を挙げての盛り上がりは、日本でもとても良く見受けられる光景です。普段はサッカーはまして、スポーツに特に興味を示さない方々まで共に歌い、騒ぎ、日本代表の応援に夢中になります。スポーツに携わる人間としては、とても喜ばしい光景ですが、その代表に登録されているほとんどのメンバーが普段からプレイしているJリーグの試合には、何故かそこまで興味を示しているとは思えないのです。観客動員数はともかく、民放で放送していた当時の視聴率は、本当に目も当てられない程の数字がほとんどでした
アメリカサッカーの行方でも紹介したように、今回のアメリカでのWorld Cup人気は、Major League Soccerの将来にとってプラスの働きとなると言うスポーツ専門家は少なからず居ますが、果たして本当にそうなるのでしょうか??日本においての傾向からすると大いに疑問が残りますね。World Cupによる影響は大会終了後にまた検証してみたいと思います

2010年6月25日金曜日

ワールドカップの露出

Athletes Dream Management, Inc.インターンの内藤です。


日本時間今日未明、ついにサッカー日本代表がヨーロッパの古豪デンマークを破り、FIFAワールドカップ南アフリカ大会の決勝トーナメントに駒を進めました。大会前の下馬評では決勝トーナメント進出は勿論のこと、グループリーグで1勝すらすることは難しいとの声も多々上がっておりました。その前評判を押しのけ、決勝リーグでも青き侍たちの活躍に期待しております。


今大会での活躍が著しい本田選手が試合後のインタビューにて、
「うれしいですけど思ったほど喜べない。目標ははるか先ですからもっと喜べると思ったんですけど満足できないですね。『優勝』を公言してますから、不可能な ことはないってことを証明したいです。」
と述べておりました。彼の言葉に一安心しております。以前、スピードスキーの世界記録を保持し冬季五輪でメダルを期待された日本人選手から、「オリンピックで表彰台に立つことを目標にしていた。しかし、金メダル獲得ということは無かった。だからそれ以上の成績はでなかった。」と伺ったことがあります。あくまでグループリーグ突破は通過点。最後まで高みを目指し、走り続けて頂きたいです。


前回のブログ・エントリー「FIFAワールドカップと米国放送局」でお伝えしましたが、現在アメリカでもサッカーに莫大な注目が注がれております。このことが理解できるものを今回はご紹介致します。





こちらは米国スポーツ専門チャンネルのESPNのプロモーションのひとつです。こちらのパネルが設置されているのはニューヨークの42丁目にあるポートオーソリティー・バスターミナルです。アメリカでも1、2を争うほどの1日の利用者数を誇り、ニューヨークとニュージャージー州を結ぶ重要拠点となっております。この24時間稼動する主要交通基地をサッカー一色する効果は絶大だと考えられます。


またESPNはメジャーリーグサッカー(MLS)の試合にて、上記写真のような冊子を配布し、人々のワールドカップ意識を高揚させておりました。その中では各出場国をユニークなイラストで表現しております。中でも私のお気に入りはイングランド代表のものでしょうか?1966年の呪縛を今もなお引きずっております。



FIFAワールドカップはサッカー人口の増加を促すだけでなく、各国代表の決勝トーナメントでの活躍はさらなる景気への肯定的影響が期待できます。昨日参議院選挙の公示がされました。今回の争点として消費税の引き上げなどが叫ばれ、経済不況への懸念が示されております。私たちADMもスポーツを通して、社会活性化のお手伝いが出来るよう日々業務に取り組ませて頂きますので、宜しくお願い致します。

2010年6月23日水曜日

メジャーリーグ観戦週間

Athletes Dream Management, Inc.ニューヨーク・スタッフの三宮 伸也です。

先週末から今週始めに掛けて、メジャーリーグの試合を多く観戦する機会に恵まれました。


先ず、6月18日(金曜日)と20日(日曜日)に、Yankee StadiumでSubway Seriesを観戦して来ました。金曜日は午後7時からのナイターを、日曜日は午後1時からデーゲームを観戦したため、全く異なった雰囲気のYankee Stadiumを味わうことが出来ました。

Subway Series期間中は、Mets本拠地であるCiti FieldからYankee Stadiumまで、球団側の手配する「選手の家族・関係者専用のバス」が運行されたため、移動も非常にスムーズに進みました。普段からニューヨーク市内の交通渋滞は酷いのですが、特に試合開催日には、いつも以上に道路が混雑します。しかし、今回はこのパトカー先導付きのバスのお陰で、Citi Fieldを出発して約20分でYankee Stadiumへと到着することが出来ました(車なら、1時間以上掛かっていてもおかしくありません)。このようなバスを球団が選手の家族・関係者のために手配し、尚且つニューヨーク市警が全面的に協力してくれる事実を実際に体験し、改めて、米国内でメジャーリーガーがいかに尊敬されているのかを実感致しました。

また、試合開始前や試合終了後は、球場内にある、アウエー球団のための家族・関係者用控え室に入る機会にも恵まれました。控え室には、大型テレビや、インターネット環境の整ったPC、水やソーダ類が揃えられた冷蔵庫などが完備されており、例え相手球団であろうともホスピタリティーの気持ちを忘れないYankees球団に、とても感動しました。このような気遣いが出来るところが、チャンピオンチームたる所以でしょうかね。


6月22日(火曜日)には、Citi Fieldにて、Detroit Tigers対New York Mets戦を観戦して来ました。この所、Metsが非常に好調であることも手伝い、球場内はファンの熱気で非常に盛り上がっていました。この日の試合前後も、球場内にある、ホーム用の家族・関係者専用控え室で待機する機会に恵まれました。この控え室は、小さなお子様のいる選手のために、託児所を兼ね備えており、ディズニーのDVDや、子供用おもちゃ、そしてベビーシッターまで常備しているのです。子供を託児所に預けて、大人は安心して選手を応援して欲しい、というMets球団の配慮が伺えました。

また、別の控え室には、大型テレビや、ゆったりとしたレザーソファー、各種のドリンク類を取り揃えた冷蔵庫、バーカウンター等が完備されていました。試合後のインタビューや、アイシング、シャワーなどで選手を待つ時間が長引いても家族が飽きないように、メジャーリーグでは、各球団がこのような「家族・関係者専用の控え室」を球場内に設けているのです。

Subway Seriesや、Citi Fieldで行われたDetroit Tigers vs. New York Metsの詳しい様子は、ADMのFacebookページにアップロードしましたので、是非、ご覧下さい。また、ADM StaffによるTwitterでも、当日の試合の様子を逐一つぶやいております。まだまだいろいろと試行錯誤の段階ですが、今後は多くの写真や動画をアップしようと考えています。皆様に米国内のスポーツの現場の様子が少しでも多く伝わるように、内容の充実を図っていきますので、今後共このBlog共々、「ADM Facebook&Twitter」も何卒宜しく御願い致します。

2010年6月19日土曜日

ADMのこだわり:おもてなし編

Athletes Dream Management, Inc.インターンの釘田です。

NY時間の今朝方に行われたサッカー日本代表第2戦目、日本vs.オランダは残念な結果に終わってしまいましたね。今朝は時間の都合上、TVでの観戦は出来なかったので、結果だけのチェックとなってしまいましたが、内容は悪く無かったようなだけに非常に残念です。私の応援があれば、あるいは結果が変わってきたのではないかとなどと真剣に思ったりしています。しかし、やはりトータルサッカーの伝統は伊達では無かったということですね。まだ世界のサッカーとの壁は高いのでしょうか??個人的にはメンタル面での違いが大きいように感じます…。

只今NYにはクライアントである選手のご両親が訪米されており、MLBゲーム、そしてマンハッタンを満喫して頂いております。ADMでは選手が野球に集中できる環境を提供することに使命を感じ、日々全力を注いで選手のサポート業務に従事しております。忙しい選手に代わり、JFK空港までご両親をお出迎えに上がるのも当然選手サポート業務となります。実際にお客様やクライアント様を空港までお出迎えに上がる機会は多く、ADMではその際のおもてなしにも「ADM流のこだわり」を持ってやらせて頂いております。

日本から実に12時間以上の空の旅を経て、日本とは13時間の時差のあるNYに到着されることになりますので、到着時のお客様は、皆様例外無く疲労が溜まっておられる状態です。日本とアメリカ東海岸間の移動は、私もこれまでに幾度となく経験して参りましたが、長い間狭い空間に閉じ込められての移動というのは、その響き以上に疲労も溜まりますし、体もべたついてくる場合等もあります。その為にADMでは、お出迎えの際にはいつもおしぼりと冷えた緑茶と天然水、キャンディーや軽くつまめるもの等を用意しております。そうすることでお客様の疲労が少しでも軽減されればと思っております。こうした細かな気配りこそ重要であるとADMスタッフ一同、自信を持ってお客様のご到着をお待ちしております。

もちろんお出迎えだけが全てではありません。お客様がNY滞在期間中は、不慣れな異国での滞在を快適に過ごして頂く為に市内のご案内は当然のこと、ホテルのチェックインから日本にお帰りになられる飛行機のチェックインやお見送りまで、その他もお客様のご要望には出来る限り手厚く、柔軟にお応えしていく姿勢で業務に取り組んでおります。




【NYに訪れた際は、一度は体験してみたいTimes Square】
本日も、事前にお聞きしておいたお客様のご要望を基に、一日のスケジュール表を2通り用意しておき、お客様に選んで頂いたスケジュール通りに、NY市内を一日掛かりでご案内して参りました。

【こちらも観光名所としてあまりにも有名な自由の女神】
私が実際にこうしてお客様をおもてなすのは、今回が初めての体験となります。まだまだ経験値が足りない私ですが、先輩スタッフのとても頼りになる心強いリードの元、現場でしか学ぶことのできない勉強をさせて頂いています!地味な作業の連続となることが多いのですが、お客様の満足そうな表情または言葉を頂いた瞬間は、やはり何ものにも代えがたいものがありますね。これからもいち早く一人で一人前の業務をこなせるよう、しっかりと精進して参る覚悟です。今後ともADNスタッフ一同、宜しくお願い申し上げます。

2010年6月17日木曜日

FIFAワールドカップと米国放送局

Athletes Dream Management, Inc. インターンの内藤です。


先日のブログエントリー「アメリカサッカーの行方」でもお伝えした通り、現在日米のスポーツ界はFIFAワールドカップで盛り上がっております。米時間14日未明に開催された初戦の日本vsカメルーン戦にて、本田選手のゴールにより、日本代表は勝ち点3を獲得いたしました。ラジオで聞いた話によると、予選で初戦に白星を得たチームが決勝トーナメントに進出する確立は80%を超えるとのことです。次戦の対オランダ戦は厳しい状況が強いられることが予想されますが、少ないチャンスをものにして決勝に駒を進めてほしいですね。




【ESPNの日本代表風刺画】


さて、先日のブログでも述べたようにアメリカは「サッカー不毛の地」として認識され、長年に亘り米国サッカーは4大メジャースポーツ(野球、アメリカンフットボール、ホッケー、バスケットボール)の背中を追ってきました。しかしながら、ここ10数年でサッカー人気は徐々に上昇し、今日ではMajor League Soccer(MLS)とWomen’s Professional Soccer(WPS)が運営されるまでになっております。現在開催されているFIFAワールドカップもアメリカのサッカー人気を後押しする要点と考えられます。
そのFIFAワールドカップ、アメリカでは米国スポーツ専門ケーブルチャンネルのESPN、地上波放送局のABC、そしてスペイン語放送のUnivisionの3社が放映しております。ABCは10試合の放送と少ないのですが、ESPNは54試合を放送、ESPNのポルトガル語放送であるESPN Deportesは40試合を網羅、そしてUnivisionは56試合の放送をし、各放送局のワールドカップに対する力の入れようが感じられます。




【ESPN】




また、インターネットを通じた情報サービスも充実しております。特にESPNでは英語はもちろんのこと、アラブ語、ドイツ語、韓国語、そしてポルトガル語の配信と、消費者ターゲットを広げています。実際日本対カメルーン戦が行われている時に、空港にて乗り継ぎ便を待っていた私は、ESPN3というオンライン・ストリーミング・サービスを使用し、観戦しておりました。このサービスはケーブルテレビ契約者に接続することが許可され、インターネット環境にあればどこでもESPNのサービスを使用することが出来ます。その時、空港で一緒に搭乗を待っていた見ず知らずのアフリカ人と白熱しながらパソコンにかぶりついておりました。





現在ESPNが獲得している放映権は2010年、2014年ワールドカップ(ブラジルにて開催)がパッケージになっており、1億ドル(約91億円:$1=91円計算)にてFIFAと契約しております。放映権が最大の金の卵ということは一目瞭然ですね。アメリカのバーやレストランに行けば常にESPNが放送されており、またスポーツ経営学の授業でもしばし討論のソースとしてESPNオンラインコンテンツが使用されます。日本で配信されているスポーツ専門ケーブルチャンネルのJ-Sportsとの一番の違いは、ESPNはアメリカ人の生活の一部となっていることでしょうか。私が思うに、この意識の違いは、ほとんどのアメリカ人が幼少時代に複数のスポーツに挑戦し、それを大人になって継続しなくともスポーツを「生きる上でのひとつの要素」として捉えていることだと思います。つまり、日本でも幼少期に様々なスポーツに挑戦できる環境開発をさらに推進すれば、彼らが成熟する15年、30年後には次世代を含めて、スポーツを生活の中心に置き、ひとつのビジネスとして確立することが出来るかもしれませんね。





何はともあれ、オランダ戦までもう間もなくです。勝ち点3で迎えた第2戦。ここが正念場ですね。幼少の頃からオランダの“トータル・フットボール”に魅了されてきた私自身の心境は難しいですが、まずは心置きなく4年に1度の祭典を楽しもうと思います!

2010年6月16日水曜日

選手マネジメント業務の1コマ~医療・健康保険編 Part3

Athletes Dream Management, Inc.ニューヨーク・スタッフの三宮 伸也です。


先々週より2週に渡って御紹介させて頂いている「選手マネジメント業務の1コマ~医療・健康保険編」も、ついに今回で最終回となります。1週目のPart1では「日米の健康保険の違い」、2週目のPart2では「ADMスタッフが、実際にどのようなやり取りを保険会社と行っているのか」をそれぞれ簡単にですが、書かせて頂きました。最終回であるPart3のエントリーでは、「ADMスタッフが『保険の代理人』として、選手とその御家族のために、実際にどのようにして保険申請を行っているのか」を御紹介させて頂きたいと思います。


Part2で御紹介させて頂いた通り、保険会社に対して保険請求を行う必要性は、診察後に、患者が自分で医療費を支払った場合に起こります。この際、必ず忘れずに行うべきこととして、窓口で診察代を支払う際に「Itemized Bill(内訳勘定書)」と呼ばれる、医師の診断と医療費の両方が書き込まれた書類を受け取ることが挙げられます。「Itemized Bill」をより具体的に説明しますと、「Consultation(初再診)」や「Examination(検査)」、「Operation(手術)」、「Hospitalization(入院)」、「Injection(注射)」などの細かな項目と、それぞれに対して幾ら医療費が掛かったのかが書かれているレシートのようなものです。保険会社に保険を申請する際には、この「Itemized Bill」と共に、「Claim Form」と呼ばれる「支払い請求書用紙」を送る必要があります(「Claim Form」は、保険会社に問い合わせることによって、取り寄せることが出来ます)。


実際にこれらの書類を保険会社へと郵送する前に、万が一のトラブルに備えて必ずコピーを取り、大切に保管しておきます。また、保険会社に郵送する際は、「Certified Mail(受取証明郵便)」と、「Return Receipt(書留郵便物受領通知)」を必ず利用するようにしています。「Certified Mail」を用いることによって、何月何日に書類を郵送したかを証明するレシートが郵便局から発行され、且つ郵送した書類をトラッキングすることが可能なためです。また、「Return Receipt」を利用することにより、受取先(この場合には、保険会社です)が書類を受領した証拠として、スタンプの捺された緑の葉書が送付先(この場合には、私です)へと戻って来るのです。これらの「Certified Mailのレシート」と、「Return Receiptの緑の葉書」も、トラブルが起こった時に備えて、必ず大切に保管しておきます。

【上からそれぞれCertified Mail、Return Receipt(裏表)のサンプル画像】

実際、私も保険申請時のトラブルに巻き込まれた回数は数知れずです。例えば、選手とそのご家族のために、保険申請をした際に、なかなか保険がおりなかったため、心配になり、保険会社に状況を問い合わせた所、「そのような書類が届いている記録は一切ない。」との返事が返って来たことがありました。この時は、「Itemized Bill」と「Claim Form」のコピーと共に、「Certifiled MailのReceipt」と「Return Receiptの緑の葉書」のスキャン画像をメールに添付して、保険会社に至急送り、「何月何日に、どのような書類を郵送し、何月何日に保険会社が受け取った」という“動かぬ証拠”を提出し、その後の流れをスムーズに進めることが出来ました。


以上は、米国内で、選手、御家族が医療行為を受けた場合の保険申請手続きです。しかし、オフシーズン中に帰国することの多い選手と御家族は、日本国内の病院・医師から診察を受けることも多いのです。「Major League Baseball Players Benefit Plan(メジャーリーグ選手のための福利厚生プラン)」の加入する保険は、米国外の医療行為に対しても、保険が効きますので、クライアントには、詳細な診察内容の書かれたレシートを必ず病院・医師から受け取るようにお伝えしています。オフシーズンを終え、スプリングトレーニング開始前に米国に戻って来た際に、オフシーズン中に溜まったレシートをクライアントから預かり、Claim Formに必要事項を記入して、保険会社へと請求します。勿論、レシートは日本語で記入されていますので、英語へと翻訳するのも、ADMスタッフの重要な「保険代理人」としての業務です。英語訳には、基本的な情報(患者名、診察日)等に加えて、出来るだけ詳細な症状、及び治療内容を書き記す必要がありますので、時には日本の病院・医師へと国際電話を掛け、ヒアリングすることもあるのです。


このような手続きを経て、ようやく保険申請書が保険会社に届いてから約4~6週間後に、小切手がクライアントの下へと郵送され、無事に保険申請が完了となります。先週更新したPart2にも書きましたが、米国で医療を受ける上で最も煩わしいとされているのが、この医療費の支払い戻し手続きです。米国の保険制度に慣れておらず、且つ言葉の壁が存在するため、多くの日本人にとって、非常に骨の折れる作業だと感じております。また、米国では、何事にもトラブルは付き物です。トラブルに会わないために、Claim Formの記入ミスや、英語翻訳時の必要情報漏れなどを無くすことに細心の注意を払っています。しかし、どれだけ気を付けていてもトラブルは起こってしまう時には起こってしまうものです。一旦トラブルが起こってしまえば、粘り強く交渉する必要があり、余計に神経をすり減らす結果となってしまいます。選手にはOn-Field上のパフォーマンスに集中して頂くためにも、そして選手を最も身近で支える御家族には安心して米国生活を送って頂くためにも、これからも我々ADMスタッフは誇りを持って、選手マネジメント業務に従事して行きたいと思います。

2010年6月12日土曜日

アメリカサッカーの行方

Athletes Dream Management, Inc.インターンの釘田です。

いよいよ世界中が注目する世界最大級のスポーツイベント「2010 FIFA World Cup」が今週6月11日金曜日に、アフリカ大陸初となる南アフリカにて開会致しました!


【2010 FIFA World Cup Official Logo】

岡田監督率いる我らが日本代表も大会直前の壮行試合等で、連日皆さまのお茶の間を賑わしている事と思います。代表監督就任当初から常に「ベスト4」を目標に掲げてきただけに、本番直前の今、彼らの一挙手一投足に注がれる周囲の注目度は過去に例を見ない程に高まっているように感じます。私もアメリカから壮行試合の結果をチェックしては一喜一憂しつつも、やはり新生岡田Japanの未だ見ぬ快進撃を、本番の南アフリカの地で見られることを大いに期待しております。


【新生岡田Japan】

さて、グループEに属し初戦を14日に控える日本とは違い、グループCに入ったアメリカはその初戦である対イングランド戦を、本日既に終えました。イングランドに比べ決定的なシーンが少なく、実力の差は依然としてあるように感じましたが、結果は前半終了間際にアメリカがデンプシー選手によるラッキーなゴールで同点に追いつき、1対1の引き分けに終わりました。


【イングランドに先制点をもたらしたジェラード選手】

やはりスポーツは何が起こるか分からないものですね。サッカーの発祥であるイングランドの代表GKに選ばれる程の選手が、なんでもない正面のシュートをファンブルしてしまい、結局的にそのミスのせいで勝ち点3を取り損ねる結果になってしまった訳ですから。多数のアメリカの解説者ですら、母国の負けを予想していたイングランド戦に、何はともあれ引き分け、アメリカは勝ち点1を手にしました。この勝ち点1は、スポーツ大国にして「サッカー不毛の地」であるアメリカにとって、とても大きな意味のあるものとなるかも知れません。


かつてアメリカ人に「何故アメリカはサッカーが流行らないのか?」と聞いてみたところ、「おれたちは白黒はっきりしていないものが好きじゃないんだよ。サッカーには引き分けがあるだろ?それがまず好きじゃないな。あとサッカーは展開がスローだし、点も入らないし、バイオレンスが無いのも原因だろうね。」と言っていたのをふと思い出します。
しかしゆっくりですが着実にそのマーケットを拡大し続けているMajor League Soccerの存在に、スポーツ専門家たちは、2010ワールドカップはアメリカサッカー界にとってプラスになる事はあってもマイナスになる事は無いだろうと比較的楽観的な見解を発表しています。


【MLS Official Logo】

その理由として挙げられているのが、予選リーグで敗退してしまった前大会の存在です。加えて、大多数のスポーツ専門家は、今大会はまず予選を突破するであろうと予想しています。その為、もしリーグ突破を成し遂げれば、それが叶わなかった前大会よりも明らかに進歩していることになり、それが良いイメージを生むだろうというのが彼らの意見です。そしてそれによって引き上げられる、国民のサッカーに対する注目度が、未だニッチスポーツ的なアメリカサッカー(MLS)にはとても重要であり、良い影響を与えるだろうと話します。そして大会を通して、アメリカ代表チームが活躍し、日本メディアお得意の「ヒーロー」のような存在が出てくれば、なおアメリカサッカーの繁栄に拍車を掛けてくれるだろうという見解の様です。そういったことを踏まえると、本日のラッキーなゴールが産み出した勝ち点1はアメリカサッカーの明るい未来への第一歩となるのかもしれません。


また今大会で、忘れてはならないのが、ホスト国の存在です。この大会ではアフリカの総合力の1つの量りとしての見方もできるのではないでしょうか。つまり、アフリカ初のホスト国となった南アフリカが無事に成功を治め、経済力、社会基盤、治安等の不安要素を拭い去ることができるかどうかも、大会の結果と並行して注目してみて下さい。引き続き4年に1度のサッカーの祭典をお楽しみ下さい!

2010年6月11日金曜日

第3弾!マイナーホッケー球団の業務内容

Athletes Dream Management, Inc. インターンの内藤です。


先々週から2回に亘りご紹介させて頂いているマイナーホッケー球団の業務内容も、今回で最終回となりました。前回までは主にスポンサーを扱う部署でインターン生が試合日にどのような業務をこなしているかをお伝えしました。今回はオフィスでの通常業務についてご紹介致します。


我々コーポレート・パートナーシップ部ではシーズンを通して、スポンサー関連の業務を全般に受け持ち、球団収入増加に大きく貢献しております。私が球団での業務を開始したのが2009年10月で、丁度アメリカン・ホッケーリーグ(AHL)が開幕する直前でした。その時期には数々のスポンサーと契約を結び終わり、ダッシャーボード(スケートリンクを囲うパネル)にスポンサー・ロゴや宣伝の貼り付け作業に入ります。シーズンを通して常にお客様の目に触れるシール製のバーナーをボードに設置する作業は緊張しましたね。他にも、シーズン中にはスポンサー企業や業務提携をしている団体に出向いたり、ゲーム中のプロモーションの準備、また新規スポンサーに提案するプロモーション企画書の作成など様々あります。その中でも一番重要な私の業務は、スポンサーに対して“ポートフォリオを作成する”ことでした。



今シーズン、我々が作成したポートフォリオ(スポンサーブック)は観客動員数(レギュラーシーズン、プレーオフ、リーグ)、ラジオ、メディア・ガイドブック、Roar(毎試合発行、無料配布される冊子)、ウェブサイト及び新聞、メディア・リリース及びメールマガジン、プロモーション、そして私が撮影した写真から構成されております。シーズン終盤に差し掛かるにつれ、大量のデータを整理します。記事やウェブサイトはメディア・リレーション部門のインターンと連携しながら情報を頂き、それを編集していきます。メディア・プレスやウェブ記事、そして今シーズンから球団全体で力を入れているソーシャル・ネットワーキング・サービス(TwitterやFacebook)など全てに目を通して編集する作業は骨の折れる作業でした。 また、シーズンを通して撮影された写真は5000枚を越え、その中から各スポンサーに提出する写真を厳選します。


「全てはスポンサー、その向こうにいる消費者の為に」とスローガンを掲げ、一つ一つ手作業で妥協すること無く作成したスポンサーブックの数は35冊を越えておりました。いかにスポンサーに楽しく今シーズンの球団と彼らの活動を振り返って頂くか、来シーズン以降も業務提携をして頂けるか、さらにはスポンサーブックを通して、来年に向けて更なる宣伝企画を提案できるか、ということに心掛けております。


また、一見するとスポンサー獲得とアリーナへの来場者数増加は関連性が無いように思えますが、実際はスポンサーを獲得することにより、より充実したゲームプロモーションを実施、もしくはギブアウェイ・グッズを多く提供することが出来ます。(ギブアウェイについては以前のブログ・エントリー「ギブアウェイはファンを魅了できるのか?」をご参照ください。) これらにより、ファンの増加が期待できます。また、来場者数が少なければそれだけスポンサー企業及び団体の宣伝効果は薄いと認識され、スポンサー契約の獲得が困難に成りかねます。その為、モナークスではセールス部とコーポレート・パートナーシップ部が協力し集客増加の為に日頃から戦略ミーティングを開き、情報やアイディアの共有をしております。その一環として、私も「インターナショナル・スチューデント・ナイト」を企画・実施させて頂きました。規模が小さいフロントオフィスだからこそ一致団結し易く、風通しが良いので行動に移し易いと実感しました。その中で、我々のグループセールス担当の一人が、モナークスの親会社であるAEG(NHLのロサンジェルス・キングスやMLSのロサンジェルス・ギャラクシーなどを保有)グループ内で3位のチケット売り上げを達成しました。その知らせを受けた時はフロント全体がお祭り騒ぎになっていましたね。セールス部の一人が「これがマイナーの底力だ!」とガッツポーズをしながら叫んだ言葉に対して、私も胸に熱いものが込みあがってきました。


この様にして、私のマイナーホッケー球団でのインターンは昨日を持ち無事終了致しました。当初はどうなることかと考えていたインターンでしたが、無事に長いシーズンを終えることができ、プロ球団構造やその運営方法、そしていかにアメリカ社会の中でどう働くかということを習得できました。加えて、球団での業務は、院で研究したマーケティング理論やライセンス問題、及びイベント運営論などが実践でき、その実用性や応用性を確認できる最高の“研究室”でもありました。今後はこのインターンと院での研究を応用し、日米のスポーツ界のお役に立てるように日々精進させて頂きます。今後ともアメリカのスポーツの現場を皆様にお届けさせて頂きます。

何卒宜しくお願い申し上げます。

選手マネジメント業務の1コマ~医療・健康保険編 Part2

Athletes Dream Management, Inc.ニューヨーク・スタッフの三宮 伸也です。

前回のエントリーでは、非常に簡単にでしたが、日米の健康保険の違いについて御紹介させて頂きました。今回のエントリーでは、「選手マネジメント業務の1コマ~医療・健康保険編 Part2」としまして、ADMスタッフが、実際にどのような場面で保険会社とコミュニケーションを取っているのかを御説明させて頂きたいと思います。


米国では、多くの場合、医師・病院が直接、患者の加入する保険会社に医療費を請求します。通常、保険会社から、医師・病院に対して保険代が支払われるのに、約1ヶ月ほど掛かります。保険によってカバーされなかった分の医療費は、患者の自己負担となり、後から請求書が患者宛てに郵送されて来ます。この場合、カバーされなかった分の医療費を支払うだけですので、手続きは非常にシンプルであり、ADMスタッフが保険会社と直接やり取りする必要もありません。


しかし、医師・病院によっては、診察後に、その場で患者に医療費全額の支払いを求めて来る場所もあります。この場合、後から自分自身で保険会社に保険代を請求する必要があるため、前述の場合よりも手続きが複雑となります。米国で医療を受ける上で最も煩わしいとされているのが、このような場合における、保険会社からの医療費の払い戻しのための手続きです。医療費払い戻し手続きにおける保険会社とのコミュニケーションは、米国人にとっても非常に手間隙の掛かる作業であるため、米国の医療保険制度に慣れておらず、言葉も不自由な日本人とっては、神経の擦り減る作業であるのも当然なのです。そのため、ADMスタッフは、選手とその御家族の米国生活における不安・苦労を少しでも取り除くために、保険会社に対する保険申請の手続きを代行させて頂いております。


【写真のドクターは、あくまでもイメージです】


勿論、保険会社は、患者の医療情報に関して守秘義務があります。そのため、第3者が患者に代わって保険申請を行うためには、患者は保険会社に対して、「HIPPA(Health Insurance Portability and Accountability Act)」と呼ばれる書類を提出し、「保険業務全般に関する代理人」を指定する必要があります。これにより、ADMスタッフは、選手やその御家族の保険申請、及び保険会社とコミュニケーションを本人に代わって行うことが出来るようになるです。


また、保険申請を行う前には、保険規約(Insurance Policy)を熟読し、保険内容をしっかりと把握しておくことも非常に大切です。不明な点は、「保険代理人」としてADMスタッフが、選手や御家族に代わり、保険会社に問い合わせて明らかにしておきます。いざという時に備えて、最善を尽くしておくことが重要なのです。


次回は、ADMスタッフが「保険の代理人」として、選手や御家族のために、実際にどのように保険申請を行っているのかを御紹介させて頂きたいと思います。

(Part3に続く)

2010年6月8日火曜日

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