2010年8月7日土曜日

ニューテクノロジーを使った最新スタジアム運営

今回のブログエントリーから、米国大学院にてスポーツ経営学を選考されている明石貴祐さんよる「リアルな米国大学情報」を発信して行きます。引き続き「スポーツマネジメント from USA」をご愛読の程、宜しく御願いします!(ADM Staff一同)


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本日から月に2回本ブログに投稿させていただくことになった、学生ライターの明石貴祐と申します。私は昨年3月に日本の大学を卒業し、同年9月からニューハンプシャー州にあるサザンニューハンプシャー大学大学院で、スポーツマネジメントを専攻しています。また、NCAA Division2に所属する当大学のサッカー部に所属すると共に、アメリカ女子プロフェッショナルサッカーリーグのボストン・ブレーカーズでボランティアとして働いています。本ブログでは、学生、またStudent Athleteの視点から米国スポーツビジネスと向き合い、現場での体験等を交えながらお伝えできたらと思います。



第1回目である今回は、「ニューテクノロジーを使った最新スタジアム運営」についてお伝えしたいと思います。現在Sport Facility Managementという授業を取っているのですが、先日の授業では、“アメリカプロスポーツチームによる、アリーナやスタジアムなどのファシリティ経営においてのニューテクノロジーの導入”、に触れました。

このトピックについて2週にわたってお伝えさせていただきたいと思います。

実際にスタジアムに足を運びスポーツを観戦することの醍醐味は、その場の雰囲気を味わい、周りのファンと共にチームを応援し、感動を共有することにあります。しかし一方で、家やスポーツ・バーのテレビを通してでしか得られない要素もあります。試合中の各シーンのリプレイの数の多さ、様々なカメラアングルからの観戦、チームや対戦相手の情報や統計などです。またスタジアム観戦時、飲み物や食べ物を買っている最中など席を離れている隙に大事な場面を見逃した、という方も少なくないと思います。
スタジアム経営への最新技術導入の大きな目的のひとつは、単純にこの今までスタジアム観戦では得られることのできなかった要素(ディスアドバンテージ)を顧客に提供することによってアドバンテージに変える、ということでした。では具体的にどういった技術が使われているのでしょうか。



今回の授業では、以下の4つの新しい取り組みについて触れました。

① YinzCam


YinzCam社は過去2年間に渡ってNHLのピッツバーグ・ペンギンズと提携し、アリーナに試合観戦しに来られたファンに対し、無料でケータイ電話のアプリケーションを配信しています。内容は数種類のカメラアングルからの試合中継、リプレイ、チームロスター、リーグスケジュールをチェックできるというものです。こちらのいい点は②で紹介させていただくFanVisionのような器具を持ち運びしなくて良い点にあるのではないでしょうか。自分のケータイ電話を使ってこのアプリケーションを使用できるので、一切荷物が増えることはありません。アプリケーション対応機種は次の通りになっています。iPhone/iTouch, Android, Blackberry, Windows Mobile, Nokia, Samsung,等。

② FanVision




現在NFLのマイアミドルフィンズは、写真内の一見ケータイ電話のような器具(FanVision)を約20,000個無料でシーズンチケット購入者に提供しています。ファンはこの器具を使っていつでもライブビデオ、オーディオ、リプレイ、他試合のハイライト、統計などを楽しめます。またこの技術の導入は、ファンサービスの向上によるチケットセールスアップと共に、スポンサーシップセールスの向上も考えられています。具体的には、FanVisionを提供することによってコンセッションやグッズ販売の売り上げを上げるということです。FanVisionを持っているファンは、自分の席で試合観戦しながら食べ物や飲み物を注文でき、席から離れる必要がなくなり、また試合の大事な場面を見落とすこともなくなり、どの時間帯でも注文することができます。今までは大抵のファンにとって、試合中に食べ物等を買いに行く時間帯はピリオドの間の休憩時間でありました。そのラッシュを敬遠していたファンも気軽に注文することができるので売り上げも大幅に上がるのではないでしょうか。



次回のブログでは、3つ目と4つ目の取り組みをご紹介させていただきます。今後とも宜しくお願い致します。

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