2010年7月14日水曜日

選手マネジメント業務の1コマ~海外銀行、及び証券口座申告編 Part2

Athletes Dream Management, Inc.ニューヨーク・スタッフの三宮 伸也です。


前回に引き続きまして、今回のエントリーも「海外銀行、及び証券口座申告」業務についてです。今回はPart2としまして、この「海外銀行、及び証券口座申告」申請のためには、具体的にどのような情報が必要となるのかを御説明させて頂きたいと思います。


「海外銀行、及び証券口座申告」のために使用するフォーム「TD F 90-22.1 Report of Foreign Bank And Financial Accounts」を準備するためには、以下の情報が必要となります。


1. 銀行名、支店名、及び支店住所

昨年度(2008年度申請分)までは銀行の支店名のみでOKでしたが、本年度(2009年申請分)より、支店住所の記載が義務付けられるようになりました。


2. 口座番号

対象となる口座は、通常の銀行、及び証券会社の口座(株式保有口座も含む)です。UBSの問題を受けて、IRSの調査がより厳しくなると予想されるため、銀行だけでなく、必ず証券会社の口座についても情報を開示することが求められます。


3.対象1年間(毎年1月1日から12月31日まで)の最高残高

銀行の「最高残高」のルールとしては、最低でも四半期以上の頻度で発行される報告書に記載されている最高残高とされています。また、証券口座の場合は、「年末の保有残高を、年末時点の株価、及びその他の市場価値として提示されている価値へと換算し、年末時点での為替で割り返す」こととなっています。


4.対象1年間(毎年1月1日から12月31日まで)の金利収入

日本の銀行、及び証券口座の利率は非常に低いため、それほど「金利収入」は多くないのですが、海外では、利率の高い口座(主に定期口座など)も存在するため、どれだけ小額の場合でも、必ず申告する必要があります。



以上が、「海外銀行、及び証券口座申告」申請のために必要な情報です。ご覧の通り、いずれも非常にプライベートな情報ですので、守秘義務は勿論のこと、選手とその御家族、及び日米の関係者の皆様との常日頃からの信頼関係&コミュニケーションがとても重要になると感じております。


必要情報取得後は、前回のエントリーでも御説明させて頂いたように、「米国CPA様によるフォーム『TD F 90-22.1 Report of Foreign Bank And Financial Accounts』の作成⇒選手によるフォームへの署名⇒Certified Mail&Return Receiptにて、U.S. Department of the Treasury(米財務省)へ申告」という流れとなります。期限日である毎年6月30日の数ヶ月前から、日米をまたいで、多くの方々からのご協力を仰ぎながら必要情報を収集し、ついに郵便局の窓口で、無事に「海外銀行、及び証券口座申告」申請を終えた瞬間は、ほっとすると同時に、選手マネジメント業務に関わらせて頂いていることに幸せを感じる瞬間でもあるのです。



【写真のCPAは、あくまでもイメージであり、常日頃から御世話になっているCPA様ではありません】


これからも、選手とその御家族が安心して米国生活を送って頂けるように、全力でサポートさせて頂く所存です。そのためにも、常に謙虚に、新たな知識を学ぼうとする姿勢を持って、日々の業務に取り組んで行きたいと思います。

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