2010年9月27日月曜日

スポーツとリサーチ ~後編~

学生ライターの矢沢大悟です。


今回は前回の投稿に引き続き、去年の秋学期に履修した「Analysis and Evaluation in Parks, Recreation, and Tourism」のクラスで行われたリサーチプロジェクトを紹介したいと思います。

前回はアンケート用紙を作ったところまで紹介しましたが、作ったアンケート用紙を実際に配りにカロライナ・レイルホークス(Carolina RailHawks、以下レイルホークス)の本拠地・WakeMed Soccer Parkを訪れました。生徒は3グループに分かれ、各グループが1試合ずつの計3試合にわたってアンケート用紙を配っては集めるという作業を繰り返しました。

実際アンケート用紙を配る段階で気を付けたことは、できるだけバラエティに富んだサンプルが集められるようにすることです。家族で来られる方から会社の同僚と来られる方、また一人で来られる方など様々なタイプの観客の方に、アンケートに協力してもらうようにしました。それぞれのグループが何を求めてレイルホークスの試合に観戦に訪れるのか、のちにじっくり考察できるように気を配ってサンプル集めに励みました。




 
3試合にわたってアンケート用紙を配り続けた結果、234ものサンプルを集めることができました。次はアンケート結果を数値化する作業です。各質問の回答にそれぞれ番号をつけ、エクセルに観客の回答を数字で入力します。例えば、チケットの購入方法を聞いた質問では、「インターネットで」という回答に「1」、「電話で」という回答に「2」、「チケットオフィスで」という回答に「3」とそれぞれ数字をつけ、「インターネットで」と回答した人のチケット購入方法の欄には「1」を入力します。これによってエクセルで観客の回答を簡潔にまとめることができ、その後のデータ活用に活きるようになります。


<数値化したアンケート回答>


そして数値化したアンケート結果をクラスで一つにまとめます。ここから生徒は6つのグループに分かれ、「Attendance Information」、「Team Perceptions」、「Background Information」の3セクションに2グループずつ分かれてデータの分析を行います。

同じセクションに属している2つのグループにはそれぞれ違った役割が与えられます。Aグループは割り当てられたセクションの情報のみを使って分析します。例えば「Background Information」であれば、そのセクションに含まれている性別や年齢、学歴などの情報を分かりやすくグラフや表にまとめて観客構成を示したりします。それに対してBグループは他のセクションの情報と組み合わせることができます。例えば性別(Background Informationのセクション)と過去の観戦歴(Attendance Informationのセクション)の関連性を調べてみるなどです。私は「Background Information」のグループAに割り当てられ、観客構成の分析を行いました。

各グループはそれぞれ分析を行い、データをグラフや表に分かりやすくまとめ、それをもとにパワーポイントを作ってプレゼンテーションに備えました。プレゼンテーションはレイルホークスのチケットオフィスに勤務するノースカロライナ州立大学OBの方とその上司の方にクラスに来て頂き、プレゼンテーションを行ったあとにディスカッションを行うという形式で行いました。私たちのグループは性別構成や年齢構成、観客の社会経済的地位などといったデータをグラフにまとめて、そのデータをもとにマーケティングに関する提案を行いました。またレイルホークスのスタッフの方には次回リサーチする機会があれば人種構成(特に観客の中のヒスパニック系の割合)をもっと詳しく調べられるようにといった課題も頂きました。



<グループで作ったプレゼンテーション>


このリサーチプロジェクトを通して実際のプロスポーツチームがどのようなデータを求め、そしてどのようにして必要なデータを集めて活用しているのかを知ることが出来ました。またリサーチの全てのプロセスを行うことにより、リサーチ全体に対する理解が一層深まったと実感しています。実際にスタッフの方の前でプレゼンテーション出来たのもいい経験でした。リサーチやデータの重要性は今やスポーツ界で欠かすことの出来ないものになっています。リサーチの重要性を再認識できたプロジェクトでした。

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