2010年9月13日月曜日

スポーツとリサーチ ~前編~

学生ライターの矢沢大悟です。

今回は私が昨年の秋学期に履修した「Analysis and Evaluation in Parks, Recreation, and Tourism」というクラスで行われたリサーチプロジェクトを紹介したいと思います。今日は前編としてクラスの概要やプロジェクトの前半部分についてふれていこうと思います。

クラスのタイトルにあるように、リクリエーション学部(Parks, Recreation, and Tourism Management, 通称PRT)の授業ですが、ノースカロライナ州立大学ではスポーツマネジメント専攻の生徒がリクリエーション専攻の生徒と同じ授業を取ることが多く、このクラスもスポーツマネジメント専攻の生徒とPRT専攻の生徒が混ざって行われます。このクラスで行われたプロジェクトは近隣の都市・キャリーに本拠地を置く当時ユナイテッドサッカーリーグ(USL)所属のプロサッカーチーム、カロライナ・レイルホークス(Carolina RailHawks: 現在はUSSF D2 Pro Leagueに一時的に所属、以下レイルホークス)の協力の下行われました。レイルホークスは2006年に誕生した比較的新しいチームです。



<カロライナ・レイルホークス>


「Analysis and Evaluation」と題したこのクラスではリサーチの目的や重要性、使われる手法、リサーチ結果をいかにマーケティングやプロモーションに生かしていくかということを学びます。なぜリサーチが必要なのか?リサーチをどのように生かすのか?を常に念頭に置き、データの収集方法から管理方法、そしてデータの分析を実際に行いながら学んでいきます。

レイルホークスのリサーチプロジェクトは授業で学んだ内容を実際に体験する機会として設けられました。レイルホークスのマーケティングリサーチの一環として、試合に訪れる観客に対して3試合にわたってアンケートをとり、その結果をまとめて分析し、最終的にノースカロライナ州立大学OBであるチケットオフィススタッフとその上司の前でプレゼンテーションをするという内容になっています。

リサーチプロジェクトはアンケート用紙を作るところから始まりました。まずはチームがどのような情報を必要としているかをクラスで話し合います。その結果アンケート用紙を「Attendance Information」、「Team Perceptions」、「Background Information」という3つのセクションに分けることになりました。「Attendance Information」では過去にどれだけレイルホークスの試合を観戦したかといった観客の過去の体験や、これからどれだけレイルホークスの試合を観戦に訪れたいかといった未来の希望について答えてもらいました。またレイルホークス以外の近隣スポーツチーム、たとえば大学スポーツやNHLに所属するカロライナ・ハリケーンズなどといった試合に過去どれだけ観戦に訪れたかも聞いています。さらにどのようにチケットを購入したか(オンラインやチケットオフィスなど)、チケットの種類(シーズンチケットやグループチケットなど)は何か、またレイルホークスの宣伝をテレビや新聞で見たことがあるかといった内容もこのセクションに含みました。



<実際のアンケート用紙(表)>


「Team Perceptions」のセクションでは観客がどれだけレイルホークスというチームやチームカラー、ロゴなどを認識しているのかを調べました。またどれだけレイルホークスというチームに愛着を抱いているか、いわゆるチームのブランド力を調べました。「Background Information」では観客の年齢や性別といった人口統計学的データや、家族で観戦に来た方には子供の年齢に加え、子供や自身が地元のサッカーチームでプレイしているかといったことを聞きました。また持っている学位(高卒や大学卒など)や雇用体系(フルタイムやパートタイムなど)についても聞き、最後は住んでいるところの郵便番号を書いてもらいました。学位や雇用体系は観客の社会経済的地位に関する情報を得るために用い、郵便番号は観客がどの地域から観戦に訪れているのかを知るために書いてもらいました。



<実際のアンケート用紙(裏)>


これらの内容を観客が協力してくれるように両面一枚にまとめて試合前のレイルホークスのスタジアムで3試合にわたってアンケート用紙を配っては集め、データを収集しました。データ収集の様子や集めたデータをどのようにまとめて使ったかといった内容は次回の投稿で紹介したいと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿