2011年7月28日木曜日

コンディショニング

久しぶりの更新です。空港で待ち時間があったので書いてみました。

今回は野球のピッチャーのStrength and Conditioning に対しての自分の経験等から得た意見を書きたいと思います。これにはきっと賛成する方、反対する方がいると思いますが。もし、質問、意見、感想、反論などがありましたら、私に直接メールを頂けると嬉しく思います。 


さて、先日、日本のNumber の斎藤祐樹投手の記事を読みました。
記事曰く、「『走り込み』をして直球に自信がついた」と。


一体「走り込み」とは何なのか?その「Number」の中では、はっきりと示されていなかったのだが、文脈から読み取るには、この「走り込み」とはきっと、長い距離を淡々と走るだと思う。それから、レフトポールからライトポールにかけて良いペース(75%80%ぐらいのスピード)で走る事を示しているように思えた。


昔からピッチャーは長距離を走らなければならないと言われているのだが(実際、高校時代の私もそれを実践していた)、5年以上Strength and Conditioning Coachとして色々な人の意見を聞き、数々のArticle を読み、選手をトレーニングして来た上で、それは違うのではないかと自分の中で結論が出始めている。


まず1つ目に、投球というのは爆発的運動の繰り返しなのである。爆発的運動の繰り返しという事は、それに伴う筋(Fast Twitch Muscle)を鍛えなければならない。しかし、長距離をトボトボと走っていてはその筋は鍛えられず、退化してしまう。こんな事を言えば、きっと日本の野球のコーチ達は、長距離はスタミナを鍛えるためにやるのだと言うだろう。スタミナ? 長距離をゆっくり走っていても、スタミナなどは鍛えられない。なぜなら、Energy Systemが違うのだから。


それから、こんな意見も出て来るだろう。長距離走を投げた次の日に行うと、肩にたまった乳酸が分解されて、肩が楽になる、と(これは、昔のアメリカ人の意見かも知れないが)。これも根本なところから外れている。投球を120回繰り返しても、乳酸は貯まらないのである。でも、長距離を走ると肩が楽に回る。それはそうである。なぜなら、ずっと走っている間、腕は肩を軸に動き、そして体温も上昇し、関節の可動域が広がるからである。逆に言ってしまえば、長距離を走らなくても、その場に足を延ばして座り、腕を90度に曲げて20分から30分腕を走っているように振り続けたら同じ効果が得られるであろう。


こんな理由から、私がMinor Leagueで見てきた投手達は、長距離走はしない。否、させていない。最初はほとんどの投手が長距離をやりたがるのだが、こういった理由から、違うConditioningをした方が良いと勧めるのである。


主なコンディショニングメニューは・・・企業秘密ということで。それは、冗談ですが、興味のある方は、是非メールでもして頂ければ、意見交換が出来るのではないかと思います。


これは、あくまで私のStrength Coachとしての意見であり、絶対ではありません。


内藤良亮

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