2010年6月26日土曜日

World Cup人気は地元サッカーリーグ人気の促進剤と成り得るのか?

Athletes Dream Management, Inc.インターンの釘田です

日本でのWorld Cupの盛り上がりは、ここアメリカの地にも聞き及んでいます。多くの国民が一丸となって、国を代表して戦っている選手たちを応援する。素晴らしい光景です(中には、単純にその雰囲気を楽しんでいる方も居るのかもしれませんが)。2002年の日韓共催World Cupのファンの盛り上がりは、間違えなく日本代表に更なる力を与え、World Cup参戦2度目にして、見事に決勝トーナメント入りを果たした訳です。そして4度目の挑戦となる今大会も

デンマーク戦大活躍だった本田圭介選手

ADMのブログでも過去2週に渡り、アメリカではサッカーが不毛の地という話をしました。しかし、「ワールドカップの露出でも紹介したように、今大会のWorld Cup人気は、アメリカ国民のサッカーへの姿勢において、多大な変化をもたらしているようです
格上とされ、アメリカ人の解説者でさえも負けを覚悟して臨んだ初戦のイングランド戦でのドロー。主審の大いに疑問の残る判定によって、初勝利を奪われてしまった第2戦のスロベニア戦。とにかく話題としてはこれ以上ない程豊富で、メディアからの「煽り」も絶えず行われた中で向かえた、運命の第3戦。このアルジェリア戦は、アメリカ東海岸時間で623日水曜日の午前10時キックオフとなりました。平日の午前10時から12時。ほとんどのアメリカ国民にとっては、既に仕事に取り掛かからなくてはならない、観戦という意味では喜ばしい時間帯ではありませんでした。そんな状況下、必然と言えば必然かも知れませんが、ESPN(スポーツ専門番組)がオンラインで配信していた試合映像へのアクセスが、今年45日に行われた、大学バスケットボールの決勝戦Duke vs. Bulterでの記録を上回り、スポーツイベントとしての史上最大アクセスを記録しました。ESPNによれば、110万人が少なくともこの試合中にアクセスをしたと発表しています。これに加え620万人がESPNの放送を観ており、アメリカサッカーを牽引してきたランドン・ドノバン選手による劇的な勝利の瞬間は、およそ450万の世帯で観戦されていたとESPNは報じています。これはアメリカサッカー史の中で最も多くの世帯数となります

【アメリカに劇的な勝利をもたらしたドノバン選手のゴールシーン】
アメリカサッカーファンにとって非常に残念な結果に終わってしまった、本日ベスト8の椅子を巡って行われた、U.S.A. vs. ガーナ戦。前試合の劇的な幕切れ、及びメディアの煽り効果が、国民の注目度に如実に現れました。それが世界規模の大会であろうと、サッカーの試合ならば比較的マイルドな興味しか示さなかったアメリカ人。私の友人たちも「ここまでサッカーの試合を積極的に観戦、またはチェックした(アメリカの試合に限らず)のは生まれて初めて」と言う程です。延長にまでもつれ込んだ末、12で惜しくも敗れてしまった本日のガーナ戦ですが、試合直前にESPNで行われた「あなたは今日のサッカーの試合を観ますか?」と題した調査では、およそ80%の回答者が「観る」と答えていました。また、World Cup人気は元米国大統領である、ビル・クリントン氏の予定までも狂わせたみたいですね。アルジェリア戦を現地で観戦した同氏は、試合後に選手のロッカールームに行き、後に自らの声が出なく成る程に選手と歓喜したようです。サッカー好きで知られる同氏は2018年または2022World Cupのアメリカ開催を実現させるべく、南アフリカを訪問していた訳ですが、アメリカ代表が決勝トーナメントに駒を進めたことを受け、土曜日に行われる試合を観戦する為に、金曜日に予定していたMalawi訪問を延期したようです

【クリントン元大統領とミック・ジャガー氏】

今大会の名物応援グッズとなったブブゼラ。海を越え、スポーツを超えてMLBにまで影響を与える程(マーリンズがギブアウェイとして活用)、今回のWorld Cupは全米を巻き込んでの話題となっています。そんな光景を見ていると、ふとWorld Cupが不思議なものに思えてくることがあります。World Cup年には、こうした国を挙げての盛り上がりは、日本でもとても良く見受けられる光景です。普段はサッカーはまして、スポーツに特に興味を示さない方々まで共に歌い、騒ぎ、日本代表の応援に夢中になります。スポーツに携わる人間としては、とても喜ばしい光景ですが、その代表に登録されているほとんどのメンバーが普段からプレイしているJリーグの試合には、何故かそこまで興味を示しているとは思えないのです。観客動員数はともかく、民放で放送していた当時の視聴率は、本当に目も当てられない程の数字がほとんどでした
アメリカサッカーの行方でも紹介したように、今回のアメリカでのWorld Cup人気は、Major League Soccerの将来にとってプラスの働きとなると言うスポーツ専門家は少なからず居ますが、果たして本当にそうなるのでしょうか??日本においての傾向からすると大いに疑問が残りますね。World Cupによる影響は大会終了後にまた検証してみたいと思います

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