2010年6月11日金曜日

第3弾!マイナーホッケー球団の業務内容

Athletes Dream Management, Inc. インターンの内藤です。


先々週から2回に亘りご紹介させて頂いているマイナーホッケー球団の業務内容も、今回で最終回となりました。前回までは主にスポンサーを扱う部署でインターン生が試合日にどのような業務をこなしているかをお伝えしました。今回はオフィスでの通常業務についてご紹介致します。


我々コーポレート・パートナーシップ部ではシーズンを通して、スポンサー関連の業務を全般に受け持ち、球団収入増加に大きく貢献しております。私が球団での業務を開始したのが2009年10月で、丁度アメリカン・ホッケーリーグ(AHL)が開幕する直前でした。その時期には数々のスポンサーと契約を結び終わり、ダッシャーボード(スケートリンクを囲うパネル)にスポンサー・ロゴや宣伝の貼り付け作業に入ります。シーズンを通して常にお客様の目に触れるシール製のバーナーをボードに設置する作業は緊張しましたね。他にも、シーズン中にはスポンサー企業や業務提携をしている団体に出向いたり、ゲーム中のプロモーションの準備、また新規スポンサーに提案するプロモーション企画書の作成など様々あります。その中でも一番重要な私の業務は、スポンサーに対して“ポートフォリオを作成する”ことでした。



今シーズン、我々が作成したポートフォリオ(スポンサーブック)は観客動員数(レギュラーシーズン、プレーオフ、リーグ)、ラジオ、メディア・ガイドブック、Roar(毎試合発行、無料配布される冊子)、ウェブサイト及び新聞、メディア・リリース及びメールマガジン、プロモーション、そして私が撮影した写真から構成されております。シーズン終盤に差し掛かるにつれ、大量のデータを整理します。記事やウェブサイトはメディア・リレーション部門のインターンと連携しながら情報を頂き、それを編集していきます。メディア・プレスやウェブ記事、そして今シーズンから球団全体で力を入れているソーシャル・ネットワーキング・サービス(TwitterやFacebook)など全てに目を通して編集する作業は骨の折れる作業でした。 また、シーズンを通して撮影された写真は5000枚を越え、その中から各スポンサーに提出する写真を厳選します。


「全てはスポンサー、その向こうにいる消費者の為に」とスローガンを掲げ、一つ一つ手作業で妥協すること無く作成したスポンサーブックの数は35冊を越えておりました。いかにスポンサーに楽しく今シーズンの球団と彼らの活動を振り返って頂くか、来シーズン以降も業務提携をして頂けるか、さらにはスポンサーブックを通して、来年に向けて更なる宣伝企画を提案できるか、ということに心掛けております。


また、一見するとスポンサー獲得とアリーナへの来場者数増加は関連性が無いように思えますが、実際はスポンサーを獲得することにより、より充実したゲームプロモーションを実施、もしくはギブアウェイ・グッズを多く提供することが出来ます。(ギブアウェイについては以前のブログ・エントリー「ギブアウェイはファンを魅了できるのか?」をご参照ください。) これらにより、ファンの増加が期待できます。また、来場者数が少なければそれだけスポンサー企業及び団体の宣伝効果は薄いと認識され、スポンサー契約の獲得が困難に成りかねます。その為、モナークスではセールス部とコーポレート・パートナーシップ部が協力し集客増加の為に日頃から戦略ミーティングを開き、情報やアイディアの共有をしております。その一環として、私も「インターナショナル・スチューデント・ナイト」を企画・実施させて頂きました。規模が小さいフロントオフィスだからこそ一致団結し易く、風通しが良いので行動に移し易いと実感しました。その中で、我々のグループセールス担当の一人が、モナークスの親会社であるAEG(NHLのロサンジェルス・キングスやMLSのロサンジェルス・ギャラクシーなどを保有)グループ内で3位のチケット売り上げを達成しました。その知らせを受けた時はフロント全体がお祭り騒ぎになっていましたね。セールス部の一人が「これがマイナーの底力だ!」とガッツポーズをしながら叫んだ言葉に対して、私も胸に熱いものが込みあがってきました。


この様にして、私のマイナーホッケー球団でのインターンは昨日を持ち無事終了致しました。当初はどうなることかと考えていたインターンでしたが、無事に長いシーズンを終えることができ、プロ球団構造やその運営方法、そしていかにアメリカ社会の中でどう働くかということを習得できました。加えて、球団での業務は、院で研究したマーケティング理論やライセンス問題、及びイベント運営論などが実践でき、その実用性や応用性を確認できる最高の“研究室”でもありました。今後はこのインターンと院での研究を応用し、日米のスポーツ界のお役に立てるように日々精進させて頂きます。今後ともアメリカのスポーツの現場を皆様にお届けさせて頂きます。

何卒宜しくお願い申し上げます。

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