2010年6月17日木曜日

FIFAワールドカップと米国放送局

Athletes Dream Management, Inc. インターンの内藤です。


先日のブログエントリー「アメリカサッカーの行方」でもお伝えした通り、現在日米のスポーツ界はFIFAワールドカップで盛り上がっております。米時間14日未明に開催された初戦の日本vsカメルーン戦にて、本田選手のゴールにより、日本代表は勝ち点3を獲得いたしました。ラジオで聞いた話によると、予選で初戦に白星を得たチームが決勝トーナメントに進出する確立は80%を超えるとのことです。次戦の対オランダ戦は厳しい状況が強いられることが予想されますが、少ないチャンスをものにして決勝に駒を進めてほしいですね。




【ESPNの日本代表風刺画】


さて、先日のブログでも述べたようにアメリカは「サッカー不毛の地」として認識され、長年に亘り米国サッカーは4大メジャースポーツ(野球、アメリカンフットボール、ホッケー、バスケットボール)の背中を追ってきました。しかしながら、ここ10数年でサッカー人気は徐々に上昇し、今日ではMajor League Soccer(MLS)とWomen’s Professional Soccer(WPS)が運営されるまでになっております。現在開催されているFIFAワールドカップもアメリカのサッカー人気を後押しする要点と考えられます。
そのFIFAワールドカップ、アメリカでは米国スポーツ専門ケーブルチャンネルのESPN、地上波放送局のABC、そしてスペイン語放送のUnivisionの3社が放映しております。ABCは10試合の放送と少ないのですが、ESPNは54試合を放送、ESPNのポルトガル語放送であるESPN Deportesは40試合を網羅、そしてUnivisionは56試合の放送をし、各放送局のワールドカップに対する力の入れようが感じられます。




【ESPN】




また、インターネットを通じた情報サービスも充実しております。特にESPNでは英語はもちろんのこと、アラブ語、ドイツ語、韓国語、そしてポルトガル語の配信と、消費者ターゲットを広げています。実際日本対カメルーン戦が行われている時に、空港にて乗り継ぎ便を待っていた私は、ESPN3というオンライン・ストリーミング・サービスを使用し、観戦しておりました。このサービスはケーブルテレビ契約者に接続することが許可され、インターネット環境にあればどこでもESPNのサービスを使用することが出来ます。その時、空港で一緒に搭乗を待っていた見ず知らずのアフリカ人と白熱しながらパソコンにかぶりついておりました。





現在ESPNが獲得している放映権は2010年、2014年ワールドカップ(ブラジルにて開催)がパッケージになっており、1億ドル(約91億円:$1=91円計算)にてFIFAと契約しております。放映権が最大の金の卵ということは一目瞭然ですね。アメリカのバーやレストランに行けば常にESPNが放送されており、またスポーツ経営学の授業でもしばし討論のソースとしてESPNオンラインコンテンツが使用されます。日本で配信されているスポーツ専門ケーブルチャンネルのJ-Sportsとの一番の違いは、ESPNはアメリカ人の生活の一部となっていることでしょうか。私が思うに、この意識の違いは、ほとんどのアメリカ人が幼少時代に複数のスポーツに挑戦し、それを大人になって継続しなくともスポーツを「生きる上でのひとつの要素」として捉えていることだと思います。つまり、日本でも幼少期に様々なスポーツに挑戦できる環境開発をさらに推進すれば、彼らが成熟する15年、30年後には次世代を含めて、スポーツを生活の中心に置き、ひとつのビジネスとして確立することが出来るかもしれませんね。





何はともあれ、オランダ戦までもう間もなくです。勝ち点3で迎えた第2戦。ここが正念場ですね。幼少の頃からオランダの“トータル・フットボール”に魅了されてきた私自身の心境は難しいですが、まずは心置きなく4年に1度の祭典を楽しもうと思います!

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