2010年6月11日金曜日

選手マネジメント業務の1コマ~医療・健康保険編 Part2

Athletes Dream Management, Inc.ニューヨーク・スタッフの三宮 伸也です。

前回のエントリーでは、非常に簡単にでしたが、日米の健康保険の違いについて御紹介させて頂きました。今回のエントリーでは、「選手マネジメント業務の1コマ~医療・健康保険編 Part2」としまして、ADMスタッフが、実際にどのような場面で保険会社とコミュニケーションを取っているのかを御説明させて頂きたいと思います。


米国では、多くの場合、医師・病院が直接、患者の加入する保険会社に医療費を請求します。通常、保険会社から、医師・病院に対して保険代が支払われるのに、約1ヶ月ほど掛かります。保険によってカバーされなかった分の医療費は、患者の自己負担となり、後から請求書が患者宛てに郵送されて来ます。この場合、カバーされなかった分の医療費を支払うだけですので、手続きは非常にシンプルであり、ADMスタッフが保険会社と直接やり取りする必要もありません。


しかし、医師・病院によっては、診察後に、その場で患者に医療費全額の支払いを求めて来る場所もあります。この場合、後から自分自身で保険会社に保険代を請求する必要があるため、前述の場合よりも手続きが複雑となります。米国で医療を受ける上で最も煩わしいとされているのが、このような場合における、保険会社からの医療費の払い戻しのための手続きです。医療費払い戻し手続きにおける保険会社とのコミュニケーションは、米国人にとっても非常に手間隙の掛かる作業であるため、米国の医療保険制度に慣れておらず、言葉も不自由な日本人とっては、神経の擦り減る作業であるのも当然なのです。そのため、ADMスタッフは、選手とその御家族の米国生活における不安・苦労を少しでも取り除くために、保険会社に対する保険申請の手続きを代行させて頂いております。


【写真のドクターは、あくまでもイメージです】


勿論、保険会社は、患者の医療情報に関して守秘義務があります。そのため、第3者が患者に代わって保険申請を行うためには、患者は保険会社に対して、「HIPPA(Health Insurance Portability and Accountability Act)」と呼ばれる書類を提出し、「保険業務全般に関する代理人」を指定する必要があります。これにより、ADMスタッフは、選手やその御家族の保険申請、及び保険会社とコミュニケーションを本人に代わって行うことが出来るようになるです。


また、保険申請を行う前には、保険規約(Insurance Policy)を熟読し、保険内容をしっかりと把握しておくことも非常に大切です。不明な点は、「保険代理人」としてADMスタッフが、選手や御家族に代わり、保険会社に問い合わせて明らかにしておきます。いざという時に備えて、最善を尽くしておくことが重要なのです。


次回は、ADMスタッフが「保険の代理人」として、選手や御家族のために、実際にどのように保険申請を行っているのかを御紹介させて頂きたいと思います。

(Part3に続く)

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