2011年3月9日水曜日

笑顔とそのわけ



一生の間に、
どれだけの人が死に物狂いで努力したことがあるだろうか。


今でも鮮明に覚えている。
大学卒業後は即、日本に帰り就職する。
そう決心してアメリカ留学をスタートした。


当時の心境と今の心持ち、全く違っているのは明快。

色々な要素が積み重なって今の僕があるわけだが、
きっかけは1つの映画。

The Pursuit of Happyness (邦題:幸せのちから)



どん底を見て、並の人間では乗り越えられない苦難を経て
ようやく勝ち得た1人の枠。

目標を達成した後のウィル・スミスの喜びを噛み締める表情、仕草。


どれだけの人がそれに似た経験したことがあるだろうか。


今働いているESPN Wide World of Sportsのコンプレックスで
一日だけ女子新体操をカバーする機会があった。いつもの野球やサッカーとは打って変わって。




明らかに従来の大学生の年齢からはかけ離れたルックスの
とある大学の新体操選手がいた。

その選手は待ち時間中、終始落ち着かない様子。
僕が待機している近くでそわそわしては“私はこの場にいるべき選手ではないのに。”
と不安をこぼしていた。

“一生懸命練習してきたんでしょ?なら後は、もう一度だけ一生懸命やればいい。”
と声をかけて送り出したものの
彼女の手と足が震えいたのが歩いて行く後ろ姿からも見て取れた。


演技自体、周りにいる全米トップクラスの大学生と比べると明らかに劣るが、
曲が終わり最後のポーズを取った後の彼女の顔。

同じ表情をしていた。
あの映画のエンディングのウィル・スミスと。


うれし涙を流しながら僕の前で“thanks”
と小声で言いロッカールームに消えていった彼女。

感謝したいのは僕の方だった。
今までに苦しい思いも努力もしてきた、しかし
まだ死に物狂いになったことはない。

そして、
彼女のような表情ができたこともない。





勝てば官軍の世の中になりつつはあるが、
僕はどうしても、死に物狂いで努力し苦しみ抜いたその先にある
自分の感情・表情が知りたい。

それを達成するのに場所は関係ないと思う。
日本とアメリカ。土俵は同じ。

未だに言い訳や他人への愚痴が頭に浮かぶ僕にとっては
厳しく長い挑戦になるだろう。


一度きりのこの人生。
一度くらいは死ぬ気で勝負したいもんだ。


川田圭介
Henderson State University

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