2011年5月6日金曜日

もしも願いが叶うなら

5年も前になるだろうか、
アメリカに来て一番嬉しかった出来事。

友達が1人できたこと。


日本での高校時代、友達作りなど造作もないことだった。
現に友達を作ろうと努力するものでもないことだと。

アメリカの大地に降り立ったがいいものの、
言葉の壁、文化の壁、価値観の壁。挙げればキリがないほどの困難。
本当に難しかった。凄く努力した。

たった1人、友達を作るのに。

友達ができた時の嬉しさは言葉にはできない感動と安堵感。
忘れてはいけないあの感覚と、今の基盤になっているその努力。


13日から始まったフロリダ生活にも幕を閉じる時が来た。
ESPN Wide World of Sportsというアメリカ切ってのスポーツ施設ゆえに
色々なスポーツ、人種、そして個性と出会うことができた。

共に働き通した仲間達。
今となっては言葉の壁も文化の壁も、ほとんどと言っていいほど感じなくなったからなのか
アメリカ人の中に日本人ポツりという環境でもごく自然に、
そして対等に強い絆が結べるようになった。




5年間で何が変わったのか。
環境に順応したし、英語力ももちろん上がったが
また違うところにアメリカに馴染むコツがあるように思う。

一番大切な要素は、どれだけ個性を出せるか。


ESPN WWSでの仕事が終わりに近づいた頃、
“将来雇用スポットに空きが出た時の為に”
という内容でこの場所を統括する、雇用主でもある
ケリーという人との個人面接が行われた。

実際、終了後に上位1から3番手まで名前が挙げられるという
緊張感たっぷりな面接だったのは確かである。


質問は凄く的を得ているものから、興味深いもの、そして心理を探るもの。
素晴らしく構成立てられた質問の数々。

例えば、成功の定義を自分の経験を元に。自分が雇用主なら自分以外の10人の中で誰を雇うか。コーチと選手の間に立ってのシナリオ。


最後の質問を前にケリーはこう前置きをした。

“実際社会に出てこういった質問をされることは稀です。でも、もしこのような質問をされた場合、よくよく考えて答えなさい。”と。

そして、こう質問を続けた。
“あくまで仮定の話ですが、明日地球が滅亡するとします。一つだけ願いが叶えられるとしたら何を望みますか。”
と。


面接も無事終了し、ケリーが11人全員を集めて面接のコツや
履歴書の書き方について説明し、最後に上位3人の名前を言い、その理由を話した。

ケリーが念を押して僕たちに言っていたこと。個性豊かな質疑応答。

ありがたくも僕の名前が1番手に挙がり、
駄目押しとなった理由は最後の返答にあったと言った。

ケリーは皆に向かって、
Keiは最後の質問を聞き、少し笑ってこう言いました。”

“もし明日地球が滅亡するなら、エマ・ワトソンとランチがしたいです。”
と。
(注:ハリポタのハーマイオニー役)



10人中7人以上は家族や恋人との時間をベースに答えを構成するであろうこの質問。
しかし、面接官がこの質問で求めているのは
家族愛や恋人を大切にする心の有無ではなく、どれだけ個性のある返答ができるか否かだと思う。


5年目に突入するアメリカ留学生活。
友への感謝、そしてここで出会ったありがたみを忘れず
次なるステップを踏み出す。




510日から実家の神戸で1ヶ月と少しの間羽を伸ばし
Temple Universityのあるフィラデルフィアへと。

生き急ぐ必要はない。ゆっくりじっくり。
Take Your Time, Don’t live too fast.



川田圭介
Temple University

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