2014年7月23日水曜日

アメリカの大学へのスポーツ留学 − パート1 「なぜ "Student-Athlete" なのか?」


みなさん、こんにちは!夏期インターンの小和瀬麻帆です。

これから三度に分けて、アメリカの大学の選手達がどんな待遇を受け、どんな日常を送っているかを、私の経験を含めて書いていきたいと思います。今回のテーマは「なぜ "Student-Athlete" なのか? 」です。

前回のブログにもアメリカの大学のスポーツ奨学金制度について書きましたが、アメリカでは大学スポーツが大変人気 ! で、 ビジネスとして成り立っているほどです。そのため、人気スポーツの選手達は 超がつくほど有名人!です。大学生にも関わらず雑誌や新聞の一面を飾ったり、試合前後のインタビューや記者会見があったり、そして学校代表としての社会貢献(寄付金集めやボランティア活動)をしたりしています。私自身も女子テニスという比較的マイナーなスポーツでしたが、ポスターやスケジュールカードを作成してもらったり、プロのカメラマンに試合中に写真を撮ってもらったり、大学の新聞やWebサイトに記事が載ったり・・・と本当にプロのスポーツ選手並の扱いをしてもらいました。

昨年度の女子テニスチームのポスターです
試合の結果やニュースなどを載せた専用のサイトがあります
社会貢献活動(Community Service)の一つで、障害を持った子供達と野球をしている様子
試合後のインタビューの様子
そんなアスリート達は、スポーツの能力だけではなく、色んな面で 社会から認められています!なぜかというと、彼らは "Student-Athlete"と呼ばれ『文武両道』を徹底しているからです。その語順でも分るように、コーチ達にでさえ『あなた達はAthleteの前に、Studentなのだから、まずは勉強しなさい!』とよく言われます 。しかし、一週間に20時間以上の練習やトレーニング、シーズン中は毎週末のようにある遠征試合 、社会貢献活動への参加もあり、学業との両立は、大変ハード!なのです。大学チームに在籍しているという事は、その両立ができているという証しでもあるので、多くの人に称賛されることでもあるのです。 (実際に、両立ができずにチームを辞めざるを得ない選手も稀ではありません。)
アメリカの大学は、普通の学生でも卒業するのが難しいと言われています。授業以外にも費やさねばならない時間が多く、教授達は宿題やテスト勉強はもちろんのこと、予習や復習をしているものだと思ってクラスを進めます。また、学校や選択の学部にもよりますが、多くの学生は休日も一日勉強に充てるほどです。ただ、アスリートは練習や試合、遠征もあるので、効率よく時間を使わないと授業のペースについていけません。私も英語があまり得意ではなかった1年生の頃は、 朝から晩まで勉強にテニスにと、1秒も無駄にしている気がしないほどでした。

試合後に滞在先のホテルのロビーで勉強中
『そんな大変なら自分は無理だー!』と思った方、(私でもできたので)大丈夫!です。それ程大変な選手達なので、学校側から手厚いサポートを受けられます。大学スポーツでは、全米大学体育教会(NCAA)が決めたルールにより、ある一定の成績を維持しないと試合出場へのペナルティーが発生してしまいます。そのため、学校全体で頑張っているアスリート達を応援してくれます。具体的には、クラスの出席を義務化にしたり、無料の家庭教師をつけてくれたり、チーム毎につくアカデミックアドバイザーがクラスの成績管理をしてくれたりします。私は遠征で1週間以上クラスを休んだ時に、Tutor(クラスごとにつく個別家庭教師)とスカイプでセッションをしたこともあります。また、遠征のためテストを欠席する時は、 教授達が他の日にテストを受けさせてくれるケースがほとんどです。さらに、チームメイトや他のスポーツのアスリート達も自分と同じ境遇なので、一緒に励まし合いながら自然と頑張る事ができます

アスリート専用の勉強施設。ここでTutorやアカデミックアドバイザーと会います
移動中のバスの中でチームみんなで勉強中

私も入学当初は、英語はほとんど喋れませんでしたし、最初の学期は外国人専用のクラスもとっていました。自分から質問すれば、助けてくれる人がとても多い!ので、大丈夫です。ましてや、『International-Student-Athlete(第二言語で勉強しているアスリート)ともなるとプレミアム!なので、多くの人がとても親切にしてくれます。日本から来てテニスチームにいる事を話すと、「Wow, that must be so hard. Congrats!」と言ってさらに親切に助けてくれる人が多かったです。

おそらく最初で最後になると思われますが、地域新聞の一面に載りました
このように、 社会全体が、ただのアスリートとしてではなく、選ばれたエリートとして選手達を認めてくれています。そして、これほどまでに努力している学生達を心から応援し、サポートしてくれています!

次回は、学業以外のサポート体制(設備、環境など)を詳しく書きたいと思います!お楽しみに〜


小和瀬麻帆




2 件のコメント:

  1. 経験者だからこそ書ける,とても充実した記事ですね.私もアメリカ(ジョージア)が長いので,「チームメイトや他のスポーツのアスリート達も自分と同じ境遇なので、一緒に励まし合いながら自然と頑張る事ができます。」という,「みんなががんばる環境」の強さが,スポーツに限らずよくわかります.続編,楽しみにしています.

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    1. コメント有り難うございます!Shinoさんのブログも少し拝見させて頂きました。私もジョージア州内の大学院に進学するので、機会がありましたら是非よろしくお願い致します。

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