2014年7月26日土曜日

アメリカの大学へのスポーツ留学 - パート2「ここまでやるか!?大学のサポート体制」


みなさんこんにちは!夏期インターンの小和瀬です。

アメリカの大学の選手達がどんな生活を送っているか?を書く3回シリーズのパート2です。今回のテーマは「ここまでやるか!?大学のサポート体制」です。

これまでのブログには、アスリート達の奨学金制度や、学生達が "Student-Athlete" と呼ばれ学業との両立をしている事などを書きましたが、今回は学業面以外のサポートや選手の練習環境について書きたいと思います。

一言でこちらの環境をまとめると、プロの選手達もトレーニングに来るほど、全てが揃っている!と言えます。
私の卒業校 (The University of Georgia)には、最新の筋トレの機材などが完備されているアスリート専用のジムが2カ所、10万人近く入るフットボールスタジアム、2つの練習場が併設された1万人超収容のバスケットボール兼体操用のコロシアム、5千人収容のテニスコート(インドア4面を含む16)、25m50mプールや7つの飛び込み台を備えた水泳施設、18ホール完備 のゴルフ場など、挙げ始めたらきりがないほど、『それぞれのチームに合わせたとても贅沢な施設』が完備されています。選手達一人一人にロッカーが与えられているのはもちろんのこと、コーチのオフィス、ビデオルーム、シャワーやミーティングルームなど、「部室」のイメージとはほぼかけ離れたような豪華さです。規模による違いはありますが、このように設備の整った大学はアメリカには何百校もあります。
専用のトレーニング施設/ジム
5千人収容のDan Magill Tennis Complex (全米トップ3には入ると思われる設備)
女子テニスチームのロッカールーム
フットボールのミーティングルームの一つ
(このようなミーティングルームが何部屋もあります)
さらには、フィットネスを含めた優れたコーチングスタッフ 、専属のトレーナーや栄養士、スポーツサイコロジストなどからの指導や(アメリカの高〜い)医療費のカバーなど、サポート体制はまさに『万全!』です。特にスポーツの強い大学はお金があるので、「選手達のためなら!」と惜しげもなく様々な所に投資をしてくれます。

こちらでは、コーチ達やスタッフの社会的地位が高く、必然的に年収も高いと聞いています。例えば、フットボールやバスケットボールのコーチは年俸数億円!!最高では10億円近く!! だそうです。人気の有無に関わらず、スポーツ関係者の地位や待遇がしっかりしています。その結果、選りすぐりの人材が大学のチームに加わり、選手達が良い指導やサポートを受けられるということになります。
試合中にアドバイスを受けている様子
(大学テニスは随時コーチングがオッケーです)
(後ろで私のヘッドコーチが審判にクレームをつけています)
「学校のために!」と必死になっているのを見れるのが、またカレッジスポーツの面白い所です
また、チーム毎につくトレーナーは、練習や試合以外にもリハビリやストレッチなど、体のケアのために細部までメンテナンスをしてくれます。(ほぼ西洋的な施術なので、鍼灸など東洋的治療もあったらな〜と思った事は多々ありましたが・・・) また、マッサージストも常時大学にいるので、選手がいつでもセッションを受けられます。さらに、アメリカではスポーツ心理の重要性が認識されており、私の学校ではどのチームにもスポーツサイコロジストとのミーティングがありました。チーム内の問題を解決する役割をしたり、コーチとのコミュニケーションでの悩みの相談相手になったり、試合中に固くなってしまった時の具体的な解決法を個々に合った方法で教えてくれたり・・・など競技で自分の力を100出すための大きな手助けをしてくれます。実際に私たちのチームも練習よりも優先する程サイコロジストとのミーティングを大切にしていました。

また、どの学校にもStudent Athlete Advisory Committee (SAAC)という、会社でいう労働組合のようなグループもあります。それぞれのチームから代表選手が数名選ばれ、 定期的にアスレチック部門の上層部と直接ミィーティングをする機会が設けられています。「どうしたらもっとアスリート達の活動や生活がよくなるか?」などを中心に、選手からの要望や意見などが話し合われます。そして、その内容が反映され、選手が最高の環境で競技に取り組めるようにと動いてくれます。また、そのミーティングではどのようなコミュニティーサービス(ボランティア活動)でアスリートとして社会貢献ができるかなどが話し合われます。忙しい合間を縫って、地域の小学校を訪問をしたり、寄付金を集めたりするのも"Student-Athlete"としての役割です。

SAACミーティングでの様子(この日は9/11ということもあり、
いつも国の為に働いてくれているの人達への感謝の気持ちを示しました)
(ホームレスの人達への)家を建てるのをテニスチーム全員で手伝った時の様子 
アスリート達から地域の子供達へ毎年クリスマスプレゼントを寄付します

さらに、大学側は プロへの挑戦も応援してくれます。やはり色々な国から選手が集まってくるので、競技人口が多くレベルもとても高い!です。その中から選手達がプロへ転向し易いように、アスリートのための休学制度があります。(学校によりルールは少し相違しますが、)卒業する前にプロへ転向した場合、何年後でも同じ割合の奨学金をもらいながら大学に帰ってくる事ができます。こちらでは、『アスリート特有の限界』(怪我、体力や年齢、スポンサーやプロチームとの契約の可能性など)があるという事、そして『プロで成功できるのが一握り』という事も認識されています。その競技人生でうまくいかなかった場合でも、第二の人生で成功できるように、引退後にスムーズに学位が取得できる体制が整っています。アメリカンドリームと聞くと一発勝負のように聞こえますが、こちらの大学に進学すれば、自分の努力次第で「学位取得!」という保険に入れるのです。


このようにこちらの大学はプロチーム顔負けの設備やサポート体制がしっかりと整っています。それでいて、学位の取得が可能なので、一石二鳥ならず一石何鳥にもなると思います。
学業面でも競技面でも全力でサポート!してくれる大学ですが、『お金では買えない最高の時間を』提供してくれる場でもあります。そこで、次回のパート3は「最高の4年間」という題で書きたいと思います。是非次回も読んでください!

小和瀬麻帆


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