2011年10月20日木曜日

Conditioning の重要性


シーズン中に面白いことがあった。


一人の投手がこう聞いてきた。「俺の球速が全然上がらない。むしろ、ずっと下がり続けて、今は8588マイル(140キロ前後)しか出なくなった。プロ1年目は9094マイル。2年目、3年目は8892マイル。どんどん下がり続けている。もう1カ月もトレーニングしているのになぜだ?」と。


彼は、プロ入り以降、2年目でメジャーデビューを果たし、去年はメジャーで10勝を挙げているが、プロ入り以降3年間ほとんどウエイトには触れずにやってきた。球速が下がった理由はトレーニングだけではないのかも知れない。


だが、そのツケが今頃回って来たと私は思う。そして彼はこう付け足した。「高校時代は全然トレーニングもせずに90マイル出たのに、今は1カ月間トレーニングしても90マイルも出ない。」と。


まず、3年間何もやらないでそれを1カ月で戻そうとするのは虫の良すぎる話である。それから、高校時代は何もしなくても球速が上がって当然なのだ。中学生の時に比べて、トレーニングをしなくても、ホルモンの関係により、体も骨格も筋量も全て増すのだから。


この業界にいると、こんな話をよく聞く。高校時代のコーチはすごく良かった、と。なぜかと聞くと、体も大きくなったし、何より強くなった、と。それは、高校時代のコーチが良かったわけではない。高校生という時期は、間違ったトレーニングをしていても体が中学の時と比べて格段に大きくなり、強くなるのだ(決して高校のコーチが悪いと言っているわけではない。中には、素晴らしいコーチもたくさんいる)。


それから、僕が見ていたピッチャーはトレーニングを頑張り始めた。シーズン半ばを過ぎた辺りからだ。今シーズンは少し時間が足りなかった。だが、私は彼の来年の活躍に期待したい。


Number 」でもう一つダルビッシュ投手についての記事を読んだのだが、彼の体はトレーニングと、適切な栄養バランスによって大きくなり、体重もかなり増え、安定した良い投球が出来ている、と。彼がどんなトレーニングをし、どんな体調管理をしているのか、非常に興味をそそられる。そして、彼のトレーナーの方がどんなトレーニング・フィロソフィーを持っているのかが気になるところである。


内藤良亮

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