2013年6月19日水曜日

インタビュー #001 浅野勝成さん (前編)


アメリカのスポーツ界に関わり、活躍している様々な分野の方にインタビューを実施してまいります。第一弾は弊社のフログにも寄稿頂いている浅野勝成さんです。


浅野勝成さん / Harvard Crimson Strength and Conditioning Summer Intern
Southeast Missouri State University 在籍


浅野勝成さんは仙台出身で、高校卒業した後アメリカに渡り、大学でStrength & Conditioning Coachを目指して勉強をしています。
これからスポーツの分野で留学を志している人達への参考になればという思いから、弊社の学生ブロガーとして経験や情報の発信をしていただいています。


トレーナーを目指す人だけではなく、海外での挑戦という意味でもすばらしいお話を聞く事ができました。
少し長くなったので、2回に分けてお届けしようと思います。




Q. まずは、これまでの経歴について伺います。
なぜアメリカの大学に進むことを決めたのでしょうか?

元々、英語には興味があり、そして将来はトレーナーとして働きたいと思っていました。高校2年時に、男子バスケ部にアメリカで学んできたアスレチックトレーナーが帯同して頂くことになりました。その方から、いろいろと話を聞かせてもらい、アメリカ留学に進むことを決めました。


Q. トレーナーとして働きたいと思ったきっかけのようなものはあるのでしょうか?

中学2年の時に、バスケットの試合中に左膝を大怪我したことがあります。そこから左膝だけで3度も手術を経験しました。その後、リハビリとしてスポーツジムに通い始め、そこでウエイトトレーニングと出会いました。現役復帰してからもジムに通い、トレーニングを続けていたことから、トレーナーに興味を持ちました。


Q. 中学・高校時代はバスケを?

高校は宮城県にある私立明成高等学校に通い、男子バスケットボール部の第1期生として活動していました。 とにかく、毎日が練習やトレーニングの日々でした。選手としては未熟のまま3年間が過ぎ、3年間で4試合だけ試合に出場させて頂きました。試合メンバーほど苦労はしていませんが、この3年間の苦労を超える経験は、アメリカ留学をしていてもありません。特に1年生時が一番苦労しました。それが今は良い経験として生きています。


Q. これまでの大学生活はどんな事をしていましたか?

最初の1年半はワイオミング州にある、Western Wyoming Community Collegeという短大で過ごしました。留学生がいない土地ですので、英会話力は格段に上がりました。20111月に、ミズーリ州にあるSoutheast Missouri State Universityに編入しました。編入してからの1学期目から、大学アスレチックスのストレングス&コンディショニングプログラムにて、ボランティアとしてインターンを開始しました。それから2年半はインターンを続けました。

今は、マサチューセッツ州にある、Harvard Universityでストレングス&コンディショニングでのサマーインターンとして活動しています。



Q. 大学では主にどんな勉強をしていたのでしょうか?

専攻はExercise Science(運動科学)で副専攻がNutrition(栄養学)です。解剖生理学から始まり、運動生理学、運動力学、スポーツ栄養学、統計学、スポーツ施設マネジメントなどを授業で履修し、上記のボランティアとしてのインターンでトレーニング指導の経験を積みました。それ以外にも、自主的に、トレーニング関係の本やDVD、論文を読んだりもします。

授業は、解剖生理学を英語で勉強することが一番苦痛でした。インターンも、最初の頃は学生アスリートとコミュニケーションが取れなかったのが大変でした。しかし、上記の2つは、自分で問題点を把握し、改善するよう日々アプローチをしていけば、少しずつですが自分の望む場所へ導いてくれます。

あとは、日本人として誇りを持ってインターンの仕事を行うことが大事だと思いました。これは留学前に日本でアルバイトをしていた経験が活きました。細かい所まで配慮する、次の仕事を予測して動く、準備は怠らないなどのことを徹底してやっていれば、良い仕事ができ、良いチャンスが巡ってきます。



Q. 高校時代の経験も含めて、留学前の経験が活きているんですね!
  日本人としての誇りをもつ、というのは例えばどういったことでしょうか?

全てのアメリカ人ではないですが、大学のインターン先では、朝清掃を怠る、ルールを破る、アスリートと喋ってばかりなど、仕事ができない人を多く見てきました。また、そういった彼らに、アジア人というだけで侮辱をされることもありました。 その中では、日本人であることを誇りに思い、自分のできる仕事を行ってきました。その結果が今の自分を作ってくれました。


Q. 日本人としての誇りというものを、浅野さんはどう考えていますか?

異国の地でマイノリティとして働くということは容易ではないです。周りと調和しながら、自分らしさを出していかないと生きていけないと思います。ここでの日本人としての誇りとは、自分が今までに日本で学んできたこと、仕事や勉強に対する姿勢を周りに流されずに貫いていくことであり、その学んできた過程と人々に感謝をしながら、自分らしく成長していくことだと思います。諺にもある、“実るほど、頭を垂れる稲穂かな”のように、成長すればするほど、それを取り巻く環境と人に感謝していかなければならない。これこそが日本人としての誇りを持った行動であると考えています。



後編につづく….


(後編は、ハーバード大学でのインターンを含めた、トレーナーを目指している浅野さんから、いままでの貴重な経験についてお話していただきます。)

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