2011年2月9日水曜日

Connecting Dots

点が線で繋がるというのは正にこのことだろう。


年も明けて既に1ヶ月が経った今、
僕は無事Henderson State Universityを卒業し
フロリダの心地よい風にこうして身をゆだねている。


1月3日から始まったESPN Wide World of Sportsでの仕事。
全米から集った仲間はざっと10人、
十人十色とはよく言ったもので、それぞれ個性、興味、そして目指すものもまちまち。



過去の経験の賜物か、相手の力量・知識・経験を推し測るよりも、
相手の優、つまり相手が持っていて僕に欠けているものに
自然と目が向いているのに気付けた。

全ては偉大な恩師や先輩方が未だに遥か雲の上の存在に感じることが一因だろう。


僕の芯に至る部分にあるモットーとも言える言葉がある。
そして偶然にもついこの間、上司がさらりと皆に諭した言葉。

“Don’t be afraid to make a decision.”

アドバイスは得られるだけ得る方がいい。
知識は深められるだけ深める価値がある。
夢は広がるだけ広げればいい。

しかし、それらはほんの準備段階。


人はしっかり理解している。
決断という赤いスイッチを押すのにどれだけ勇気がいることかを。

人はしっかり先読みしている。
失敗した後の危険性と恐怖を。


ほんの一握りだろう。成功した時の達成感と幸福感を先読みできる人は。



2月も始まって間もない頃、ようやく僕は吉報を得た。
Temple Universityからの大学院合格通知。
色々な大学を調べ、色々な人から情報を得て僕がとった手は、
第一志望請願。


4・5校に願書を出すのが普通、というかそれが勝利の方程式。
むしろGraduate AssistantやTeaching Assistantを得るにはもちろんのこと。


しかし僕は始めからTemple University一本。
口が裂けてもいい見本とは言い難い行為を自信を持ってした。


僕の友達が同じことをしていたら、
間違いなく笑い飛ばしている、もしくは真顔で考え直せと言っているだろう。


全ては僕の新たな、それはそれは大きな大きな挑戦の為。

大学教授への道。


それには今の僕にはTemple Universityが一番だと感覚的に判断したまで。
そしてそう決断した。



家族、高校時代の恩師、MLS・NFL・ESPN の経験、
数々の点が振り返ると線で繋がっている。

故に今の自分が自分であって、
これからの自分が自分でいられるのだと思う。


イチロー選手のように、
“線で追って点で打つ”の様な天才的な眼力は全く持って兼ね備えていないが、
色々な人からの助けを得て、暗闇にぼんやりと光を見つけられたそんな吉報、
テンプル大学・大学院合格。





“Don’t be afraid to make a decision.”

この言葉の意味の取りようは人それぞれ。

なぜなら

この言葉の後にもしBecauseで文を繋げたとしたら、
この一文が凄く大きな意味を得るはずだから。


決断することを恐れるな、
なぜなら・・・



川田圭介
Henderson State University

2011年2月8日火曜日

選手マネジメント業務の1コマ~スプリング・トレーニング準備編 Part1

MLBスプリング・トレーニング開幕まで、いよいよ残す所1週間余りとなりました。選手がスプリング・トレーニング開幕日に合わせて、各地で自主トレーニングに励んでいるこの時期、私達マネジメント・スタッフもスプリング・トレーニングの準備のために、メジャー球団関係者との連絡・調整に追われています。



今回のエントリーでは、スプリング・トレーニング開幕前の1月上旬から2月初旬に掛けて、私達マネジメント・スタッフが具体的にどのような業務を行っているのかを御紹介させて頂きたいと思います。


1、キャンプ地までのフライト予約

メジャー球団には、「Travel Secretary」という、球団の旅行に関する全業務を担当・管理するポジションが存在します。例えば、シーズン中、遠征先での選手や球団スタッフのホテルの部屋を確保・予約するのは、Travel Secretaryの仕事です。スプリング・トレーニング前の1月上旬から2月初旬に掛けて、私達マネジメント・スタッフが最も頻繁に連絡を取り合うのも、このTravel Secretaryとなります。


キャンプ地入りのフライトを予約するには、Travel Secretaryに選手側の希望(航空会社、フライト日程、経由地、窓側 or 通路側の座席希望など)を伝え、球団から直接予約してもらうか、あるいはこちらで選手の希望するフライトを予約してしまい、後から球団に領収書を提出して、フライト代を払い戻してもらうという2つの方法があります(MLB労使協定により、メジャー選手の居住地からキャンプ地までのフライト代は、球団がビジネスクラス分を負担するという取り決めになっています)。


メジャー選手の場合、後からフライト日程を変更しやすいというメリットのある後者の方法を選択する場合が多いため、私達マネジメント・スタッフは、先ず、普段からお世話になっている旅行代理店様に渡米フライトの手配をお願いします。そして、領収書をしっかりと保管し、スプリング・トレーニング期間中に球団へと提出し、フライト代を払い戻してもらうという流れが滞りなく進むように心掛けています。


2、キャンプ地での滞在先確保

キャンプ地周辺には、メジャー球団と提携しているホテルやコンドミニアムがあり、これらの部屋は球団割引で予約することが出来ます。選手のみが宿泊するのであればホテルを予約することが多いですし、御家族と一緒にキャンプ地入りされる選手には、より広いコンドミニアムを予約します。


こちらも各球団のTravel Secretaryに、選手からの希望(ホテル or コンドミニアム、1 Bed Room or 2 Bed Room、入居希望日など)を伝え、球団を通して予約してもらいます。コンドミニアムを予約した場合、選手がキャンプ地に到着後、スムーズにチェックイン出来るよう、事前に部屋の鍵の受け渡しについて、Travel Secretaryとしっかり打ち合わせしておくことが重要です(大抵の場合、キャンプ地の拠点となる球場で、Travel Secretaryから直接手渡してもらうことが多いです)。


3、 キャンプ地での移動手段確保

レンタカーを予約する場合ですが、滞在先確保の場合と同様に、メジャー球団と提携しているレンタカー会社があり、球団割引で予約することが出来ます。選手からの希望(Sedanタイプ or SUVタイプ、標準 or 大きめのサイズ、レンタル期間など)をTravel Secretaryに伝え、球団を通して予約してもらいます。


レンタカーの受け取り場所に関しては、大抵の場合、空港、あるいは球場の選手専用駐車場を選択することが出来ます。空港を選択した場合、必ず選手のフライト情報をTravel Secretaryと共有し、選手の搭乗したフライトが空港に到着した時には、レンタカーが用意されているように手配してもらいます。


また、球場の選手専用駐車場での受け取りを選択した場合には、空港まで球団関係者(日本人選手の場合には通訳の方が多いです)に選手を迎えに来てもらい、球場まで送迎してもらえるように手配します。いずれの場合も、Travel Secretaryを始めとする球団関係者の方々と、普段から綿密に連絡を取り合っておくことが大切です。


もう一つは、選手の自家用車をキャンプ地まで大型トラックで輸送してしまうという方法もあります。スプリング・トレーニング期間中(2月中旬から3月一杯までの約1ヶ月半)ずっとレンタカーを借りるよりも、費用が低く抑えられる事が多く、尚且つ輸送する車の中に野球用具や生活必需品等の荷物を入れる事が出来るため、キャンプ地入りする際の手荷物量も少なくなるというメリットがあります。従って、大抵の場合には、選手の自家用車をキャンプ地までトラック輸送する方法を選ぶことが多くなります。この場合は、球団を通すというよりも、輸送会社に直接連絡し、値段交渉から、輸送トラックの予約、車の引き渡し、途中の輸送状況確認などを責任持って行います。選手の大事な車ですので、事前にキズのチェックなども入念に行い、輸送中に新たなキズが増えていないかも確認します。輸送先は、キャンプ地の拠点となる球場とし、事前にTravel Secretaryに連絡を入れておき、無事に球場に選手の車が届き次第、連絡をもらえるようにお願いしておくことも重要です。



次回のエントリーでは、スプリング・トレーニング準備編Part2としまして、今回ご紹介した以外の業務について書かせて頂きたいと思います。


全てはクライアントが安心してキャンプ地入りし、スプリング・トレーニング開幕を万全な状態で迎えて頂くためです。これからも全力で選手のサポートを行わせて頂きます!


(ニューヨーク・スタッフ 三宮 伸也)