2013年6月28日金曜日
インタビュー #002 波多野陽介さん
アメリカのスポーツ界に関わり、活躍している様々な分野の方にインタビューを実施してまいります。
第2弾は弊社インターンの波多野さんです。
波多野 陽介 / ウェイン州立大学スポーツマネジメント専攻 2013年卒業
波多野さんは広島県出身で、高校卒業した後アメリカに渡り、大学でスポーツマネジメントの学位を取得して、現在はADMの インターンとしてスポーツビジネスの現場に立っています。
Q. まずは、これまでの経歴を伺いたいと思います。
なぜアメリカの大学に進むことを決めたのでしょうか?
自分のしたい事を二つの言語で勉強できるということで、これからの人生を考えたときに選択肢が広がると思ったからです。
ただ、高校時代の時から留学に行っていた経験もあり、イギリスも考えたのですが、アメリカの大学では奨学金制度が整っていた為、アメリカの大学に進む事を決めました。
Q. 今年の5月に卒業したようですが、大学はどのように決めたのですか?
ケンタッキーの大学に付属するESL (English as a Second Language)で一年英語を勉強した後、その大学で学部生として1年半過ごしましたね。
その頃は、インテリアデザインの勉強をしようと考えていて、ノースダコタ州立大学に編入しました。その大学のインテリアデザインと建築のレベルが高く、すばらしい環境でした。
Q. インテリアデザインを専攻しようと考えていたのですね。
どのタイミングでスポーツの勉強をしようと思ったのでしょうか?
ノースダコタ州立大学編入後、中学・高校時代にとてもお世話になったバレー部のコーチが亡くなりました。その日が自分の誕生日だったこともあり、なにか運命的なものを感じて、改めてその人に教わったものを継いで行きたいと思うようになりました。
Q. 中学高校ではずっとバレーをしていたのですか?
小学3年のころからバレーを続けていて、その中学・高校でバレーを続ける事にしたのもその監督に声をかけてもらったことがきっかけです。
スポーツの道を目指そうと思った時、コーチングという専攻はアメリカの学部にはなく、副専攻の一つにしかないため、Exercise Science(エクササイズサイエンス)専攻でコーチングを副専攻にしようと考えました。
その後、スポーツマネジメントという学部がある事を知り、これからの スポーツ発展の為に必要となってくる学問を学ぶことに決めました。
Q. アメリカの大学は専攻を在学中に変える事ができるのが良いシステムですよね。
そうですね、日本だと変える事は難しいですからね・・・
Q. 卒業した大学へは、なぜ編入したのでしょうか?
ネブラスカ州にあるウェイン州立大学というところに編入したのですが、それは大学の持つネットワークの広さや、スポーツマネジメントを学ぶ環境や内容もとめての決断でした。
それまでに一般教養の単位はほとんど取り終えていたので、そこでは2年間スポーツマネジメントを中心に学びました。
Q. スポーツマネジメントというと、日本ではまだマイナーな学問なイメージですよね。
アメリカでは多くの大学にある専攻ですし、スポーツ産業に関わる事は全てと言って良い程、スポーツマネジメントに関係してくるので、広く視野を持てる選択肢としてこの学部を選ぶ事にしました。
Q. スポーツ産業の規模が全然違うのが大きい理由ですね。
スポーツマネジメントでは、どのような事を学ぶのでしょうか?
Public Relation(PR・パブリックリレーション)の授業では、記者会見の開き方や出版社・記者について、 Facility Management(施設運営)の授業では、施設の設計規準(American Disability Act.等)であったり、施設の管理やマネジメント、施設使用料の設定やプロモーションなどを学びました。
授業では実際に施設を視察しにいき実際の様子や改善点を自らあげて発表するというプロジェクトもありました。
Q. 面白そうですね。他にはどのような科目があるのでしょう?
スポーツマーケティングの授業では、スポーツのイベントの企画をゼロからグループで考えるプロジェクトを行ったり、実際のイベントのポスターの作成も行いました。
スポーツ法学(Sports Law)のクラスでは、チーム遠征中の事故の責任問題や、実力が違うふたつのチームの試合の問題、さらにはスポーツギャンブルやチーム内暴力やいじめについての法律も勉強しました。
スポーツライティング(Sports Writing)のクラスのプロジェクトとして、学校のスポーツチームの試合について、学校内の新聞に掲載される記事を書きました。
Q. その時は取材も自分で行ったのですか?
そうですね、そのときはアメリカから90チームが集まったラグビーの大会もあり、自分の大学の様子を監督やコーチに取材をしながら記事を作成していきました。バレーボール部でインターンをさせて頂く事となったのも、そのクラスでバレー関係の記事を担当した事で、バレー部の監督と話す事が出来た理由です。
Q. スポーツマネジメントの学位をとり終えて卒業した学生たちは、卒業後どのような進路を選択するのでしょうか?
自分の大学の卒業生は、MLB(大リーグ)やNFL(アメフト)のチームで働いている人や、大学のAthletic Department で大学スポーツに関わって仕事をしている人も多いです。
Q. 学校外での活動などは?
PGA(プロゴルフツアー)の一つ下の、Web.comツアーで大会運営に関わるインターンをしました。このツアー の上位25人がPGAに出る事ができるという、いわば若手選手の登竜門のようなツアーでした。
そこでは、コースやファンの通る歩道を設置したり、スコアをもって選手と共にラウンドを回ったり、スポンサーの広告設置等、大会中だけではなく大会前後も含めて運営に関わる仕事をしました。
15日間で220時間という、今考えるととても辛い地道な仕事でしたが、こういう人たちがいて初めてスポーツの試合が成り立つという事を実感した、とてもスポーツの基礎を学べたとても良い経験になりました。
Q. アメリカでの生活が約6年になりますが、これまでに苦労してきたことや、印象に残っていることはありますか?
英語力の向上と、生活上での色々な手続きに苦労しましたね。
Q.日本と全く違いますもんね・・
特に免許や保険などの手続きはいまでは全く苦労せずにできるようになりましたが、留学当時は電話での英語でのやり取りも苦手でした。しかし、カスタマーサービスへの電話や、友達との電話をする事で、苦手を克服していったのも事実です。
Q. アメリカ生活で印象に残っている事などはありますか?
ウェイン州立大学への編入は、Youtubeにあった大学のスポーツマネジメント学部のビデオを見て決めたのですが、その動画に出ていた大学の教授に編入後お世話になりました。ウェイン州立大学のスポーツマネジメント学部に編入したとき、留学生は自分ひとりで、初めての留学生だったのですが、卒業するときに「今までの卒業生のなかで一番優秀だったし、どこにでも送り出せる」とその教授に言われて、とても嬉しかったです。
それは、心強い言葉ですね。
これからのスポーツ界での活躍期待しています!
ありがとうございました!
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