2013年1月8日火曜日

NFL カンザスシティー・チーフス アローヘッドスタジアム



新年、明けましておめでとうございます。Wayne State College の波多野 陽介です。

ついに2013年を迎え、7日からは春学期がスタートしました。3週間の冬休みも振り返ってみれば短かったなと思います。それでもアメリカらAしいクリスマスを過ごし、年末には2泊3日でミズーリ州・カンザスシティーまで旅行することが出来ました。
 
  
カンザスシティーはミズーリ州とカンザス州の境目に位置し、僕の住んでいるネブラスカ州からは車で約3時間半という距離にあります。カンザスシティーにはMLBのカンザスシティー・ロイヤルズ、NFLのカンザスシティー・チーフスという2つのプロチームがあり、それぞれがカウフマンスタジアム、アローヘッドスタジアムを本拠地にしています。年末という事もあり、カウフマンスタジアムのスタジアムツアーはありませんでしたが、カンザスシティー・チーフスの本拠地、アローヘッドスタジアムのツアーに参加する事が出来ました。


チーフスは元々、テキサスの石油大富豪の息子として生まれた故ラマー・ハント氏によって1960年にテキサス州ダラスにダラス・テキサンズとして創設されました。ハント氏は本来NFLのチームを買収し、そのチームの本拠地をダラスに移す事を計画していましたが、当時のNFLチームオーナー達の反対を受け、呼びかけて集めたフランチャイズオーナー達と一緒に8チームが所属するAFLAmerican Football League)を設立しました。その後、ダラス・カウボーイズがNFLのエキスパンションチームとしてリーグに加わり、ダラスにプロフットボールのチームが2チームになったのを理由に、1963522日にチームをカンザスシティーに移転、同年526日にチームの愛称をチーフスに変更しました。その後、1966年にAFLNFLが合併し、現在のスーパーボウルの前身となるワールドチャンピオンシップゲームの第1回が1967年に行なわれ、1972年にハント氏はAFL出身としては初めてとなる殿堂入りも果たした。   
毎年AFCの覇者に贈られるトロフィーがラマー・ハント トロフィーと名づけられているのはハント氏の功績が讃えられている証です。
 


スタジアムツアーは約1時間半でしたが、NFLのスタジアムの中での1番のノイズを誇るチーフスの本拠地のフィールドに立ち、メディアルーム、ロッカールーム等も見学する事が出来、これまでのチームの歴史、アメリカのフットボールの歴史に触れる事が出来たと思います。ガイドの方も30年以上もシーズンチケットを保持されている方だった事もあり、ハント氏の事についても詳しく聞く事が出来ました。1つ印象に残ったのが、「ハント氏は試合の日に会場の外でファンと触れ合うのが好きだった。でも決して、自分がオーナーである事は言わなかったね。ただ、ファンに純粋にスタジアムを楽しんで欲しかっただけだったんだ。」と 現在は息子のクラーク・ハント氏がチーフスを所有していますが、これを期にNFLの試合も注目してみようと思いました。

カンザスシティーに滞在した2日目に行ったのが、『ニグロリーグ博物館』です。この博物館には、人種差別の歴史とともに、史上最高の投手、サチェル・ペイジら当時の大リーグよりレベルが上といわれたニグロリーグの伝説の選手たちが紹介されています。このニグロリーグは、1920年に「黒人野球の父」と称されるルーブ・フォスターの呼びかけで発足しました。実は1880年代までは黒人も白人と一緒にプレーしていましたが、黒人の公共施設の利用を制限する「ジム・クロウ法」の施行(18761964年)によって、1900年には黒人選手は大リーグから姿を消していきました。


『第一次世界大戦では、黒人もアメリカの国を背負って戦ったのに同じチームで野球さえ出来ないのか』 当時のアメリカには根強い人種差別が存在し、黒人の選手達は泊まる宿も限られていたと言います。博物館には歴代のニグロリーグで活躍した選手ばかりでなく、「ジム・クロウ法」の施行以降初めての黒人プレーヤーとなったジャッキー・ロビンソン(1919−72年)やメジャーへ移籍した有力選手達の功績も讃えられています。博物館には、故バック・オニール氏の映像が残っていて、サチェル・ペイジについての思い出話をしている姿を見ると、どのスポーツにも大切な歴史があるのだなと思いました。実は、以前にジャッキー・ロビンソンについての本を読んでいたので、ニグロリーグの事は知っていて、1度は行ってみたいと思っていた博物館でした。こうして歴史を変えた人達がいたから、今のメジャーリーグがあり、出身の違う選手がプレー出来る事がどれだけ普通の事になっているのかと カンザスシティーに行かれる方は、是非立ち寄ってみて頂きたいと思います。


2012年は自分にとって色々な経験が出来た年だったと思います。夏に、プロのゴルフツアーでボランティアした事は今振り返ってみても、貴重な体験となりました。2013年は、ここまで自分が学んできた事、経験して来た事を少しでも形に出来るようにしよう努力しようと思います。最後になりましたが、昨年はADM Inc.との出会いがあり、こうしてブログを更新させて頂く事になり、スタッフの方を含め、多くの方からのサポートを頂きました。毎回、少しでも多くの方に情報を発信したいという思いで2013年も更新していこうと思いますので、宜しくお願い致します。


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