栄えある連載最終回の17回目を飾るのは、2012年1月7日午後に視察致しました、全米最大級の大型スポーツグッズ量販店「Dick’s Sporting Goods」に関するレポートです。
Dick’s Sporting Goodsは、1948年、当時18歳であったDick Stack氏が、ニューヨーク州ビングハムトンという小さな田舎町で、釣具店を創業した事から全てが始まりました。
軍隊用物資店のセールスマンであったStack氏は、ある日オーナーからお店をより繁盛させる良いアイディアはないか、との相談を受けます。釣りが大の趣味であったStack氏は、商品ラインを軍隊用物資だけでなく、釣り用具やアウトドア用品に拡大する、というアイディアを思い付きます。そして、何日も不眠の日々を重ね、ついに満足の行くビジネスプランを練り上げる事に成功します。翌朝早く、Stack氏は自信満々に完成したばかりのビジネスプランを持参し、オーナーの下を訪ねます。しかし、Stack氏の期待の大きさとは裏腹に、オーナーの反応は「こんなビジネスプランは全く役立たずだ。お前はセールスマンとしても決して成功しないだろう。」といった非常に冷たいものでした。
自信のあったビジネスプランを真っ向から否定され、意気消沈したStack氏は、祖母の家へと向かい、たった今起きたばかりの出来事を永遠と祖母に話し続けました。話を聞き終えた祖母は、何も言わずに台所へと消え、暫くしてクッキーの空き缶と共にStack氏の前に現れます。そのクッキー缶の中には、祖母が必死になってこれまで貯めて来た$300が入っていたのです。祖母は$300を渡しながら、Stack氏に短く語り掛けました。「Dick, always follow your dreams.」
祖部から譲り受けた$300を元手に、Stack氏は、魚の餌を販売する小さなお店を創業します。釣り仲間からの紹介で徐々に贔屓の顧客が増えて行くにつれ、店内では釣具も販売するようになります。そして、創業から10年後の1958年には、顧客からのリクエストに応える形で、今日取り揃えているようなスポーツ用具やアウトドア用品も取り揃えるようになります。
このようにして、ニューヨーク州の小さな町の小さな釣具店からスタートしたDick’s Sporting Goodsですが、現在では全米42州に合計450以上の大型店舗を構え、2011年度の利益は50億ドル(約4000億円)を記録し、従業員は2万5000人以上を抱えるまでに成長しています。フォーチュン500企業(アメリカ著名経済雑誌であるフォーチュン誌が毎年発表する、総収入に基づく全米上位500社)でもあるDick’s Sporting Goodsは、店舗数、利益高共に、ライバルである日本でもお馴染みのSports Authorityを上回っており、商品ラインもスポーツ用具からアパレル、シューズ、フィットネス用品、アウトドア用品、ハンティング用品までを取り揃える、全米最大級のスポーツグッズ量販店へと飛躍を遂げました。
また、Dick’s
Sporting Goodsは、その品揃えの豊富さやエンターテイメント性の高い商品陳列だけでなく、スポーツイベントや施設を積極的にスポンサーする事でも、全米中のスポーツファンに広く知られています。Dick’s Sporting Goodsがスポンサーする主なスポーツイベント、及び施設は以下のようなものが挙げられます。
- Dick’sSporting Goods ESPN Kickoff Week:アメリカ4大スポーツを凌ぐ人気を誇るカレッジフットボールのオープニングウィークエンドに開催される全米注目校同士の対戦試合
- Dick’sSporting Goods Park:2007年にオープンしたばかりのメジャーリーグサッカー所属コロラド・ラピッズのサッカー専用ホームスタジアムの命名権
- Dick’sSporting Goods Open:創業店のあるビングハムトンから程近いニューヨーク州エンディコットで毎年開催されるPGAシニアーツアー・トーナメント
- Dick’sSporting Goods Pittsburgh Marathon:現在、企業のヘッドクォーターのあるペンシルバニア州ピッツバーグで毎年開催される国際マラソン大会
勿論、全国的なスポーツイベントだけでなく、ユース年代を対象としたサッカーやソフトボール大会など、地元地域に密着したスポーツイベントの開催や、少年・少女チームへの用具提供も積極に展開しています。
それでは、最終回もいつものように写真と共に、参加者の皆様と共に視察しましたニュージャージー州ウッドブリッジにあるDick’s Sporting Goodsの店内の様子をご紹介させて頂きます(ADM Facebook上のアルバムはこちらからご覧下さい)。
【店舗内には、フィットネス用品や、】
【キャンピング用品や、】
【ハンティング用品などが取り揃えられております。商品ラインの豊富さに、ただただ圧
【店舗内には、ロッククライミングのトレーニング場まで完備されており
【ハンティングやフィッシングのライセンスまで購入可能です】
【店内で扱っていない商品を探し出す事が難しいくらい、豊富な品揃えを誇っているのです! 】
参加者一同は、全米最大級の大型スポーツグッズ量販店であるDick’s Sporting Goodsを視察した事で、ハンティング用品やカヤックといった日本国内では見受けられない商品ラインの豊富さや、エンターテイメント性に富んだ商品陳列を自らの目で確かめ、アメリカスポーツグッズ市場の規模の大きさを実感する事が出来ました。また、本場アメリカ市場を視察した事で、スポーツグッズ業界への就業というキャリア選択に対するイメージも、これまで以上にクリアになった様子でした。
1月に実施しましたスポーツビジネス研修プログラムの振り返りレポートは今回で終了致しますが、次回からは3月実施予定の「アメリカ北東部スポーツビジネス研修プログラム」において、新たに追加される研修先の紹介レポートを書かせて頂く予定です。引き続き、是非ともお楽しみ下さい!
Athletes Dream Management,
Inc.ニューヨーク 三宮 伸也
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