2012年2月9日木曜日

アメリカ東部スポーツビジネス研修プログラム振り返りレポート12~MLB球団New York Yankees

振り返りレポート12回目の今回は、研修5日目の201216日午前に訪問しました、MLB球団New York Yankeesに関するレポートです。


20032009年シーズンまで松井秀喜選手が活躍していた事から、日本でも非常に馴染みの深いNew York Yankeesですが、先ずは球団について簡単にご紹介させて頂きます。


Yankeesは、MLBに限らず、NFLNBANHLを含めた北米メジャープロスポーツリーグ所属の全チームの中で、最多優勝記録27回を誇るMLB No.1の名門球団として広く知られています。2009年シーズンのワールドシリーズの舞台で、松井選手がMVPに輝く活躍を見せ、Yankeesを見事に27回目のワールドチャンピオンに導いたのは、未だに記憶に新しい所でしょう。


また、10回目のレポートでご紹介したPhiladelphia Phillies同様、フィールド上だけの成功に留まらず、2011年シーズンに主催したホームゲーム全81試合で、MLB2位の観客総数3653,680人を動員するなど、ビジネス面での成功も収めています。フォーブス誌が毎年発表する「The World’s Most Valuable Sports Teams」最新ランキングにおいて、イングランド・プレミアリーグManchester UnitedNFLチームDallas Cowboysに次いで、Yankeesは世界第3位(総資産価値17億ドル:約1360億円)にランキングされています。


研修では、15億ドル(約1,200億円)もの巨額の費用を掛けて建設され、2009年シーズンにオープンしたばかりの新Yankee Stadium(収容人数5297人)内にある球団オフィスを訪問致しました。


今回、研修参加者の皆様のために、MLB球団の編成業務に関する特別講義を行って頂いたのは、ベースボール・オペレーション部署アシスタントのSteve Martone様です。Martone様は、普段は選手の個人成績や試合映像、スカウトから上がって来る日々のレポートを管理・統括し、トレードやFAによるチーム補強、Yankees組織内の選手昇格・降格など、編成全般に関する助言をGMであるBrian Cashman氏に行っています。


Martone様からは、
  • 現在に至るまでのキャリア過程、いかにしてベースボール業界へと足を踏み入れたのか、世界中のスポーツビジネス業界の中でも一際優秀な人材が集まるため、就職するのが困難を極める事で有名なYankeesで、職を得る事の出来た秘訣
  • 詳細な仕事内容、典型的な1日及び1年の流れ、ベースボール業界で働く事に対するやりがいと苦労
  • 自分自身の経験、及び内部にいる立場から、ベースボール業界への就業を目指す参加者へのアドバイス
  • Yankeesが運営する大学生のためのインターンシッププログラムの解説
  • MLBの中で最大の予算規模を誇り、常に最前線を走るYankeesの球団編成システム
に関して、約1時間にわたってお話頂きました。


参加者一同が特に熱心に耳を傾けたのは、ベースボール業界へ就職するために必要不可欠な「誰にも負けない特技」や「ユニークな経歴」を持つことの重要性に関するお話でした。Yankeesが運営する大学生のためのインターンシッププログラムには、毎年名門球団への就職を夢見る学生から、1万通を優に超える履歴書が届くそうです。Martone様もインターン採用に深く関わっているそうですが、いかに他の候補者と差別化出来る特技や経験を保持しているのかをポイントにして、履歴書をチェックするそうです。


差別化のポイントは候補者によって様々なのですが、Martone様が例として挙げていたのは、
  • コンピュータプログラミングの技術に優れている
  • 著名なセイバーメトリックス系ウェブサイトにコラムを寄稿している、あるいは自分自身がウェブサイトを運営しており、トラフィックを集めている
  • 大学時代に名門野球部のマネージャーを務めていた
などの特技や経験があると、1万通の履歴書から約300通前後に絞られる書類選考を通過する可能性がぐっと高まるとの事でした。


書類選考を経て300人前後に絞られた後は、「電話面接」「対面面接」を経て、最終的にインターンとして採用される30名前後へと絞っていくそうです。その際に重要なのは、「Passion」、つまり「情熱」が感じられるかどうかである、とMartone様は仰っていました。外から見ると一見華やかそうに見えるベースボール業界ですが、試合の開催日には夜11時過ぎまで球場に残る事も多く、週末出勤も当たり前という非常に厳しい労働環境です。憧れだけで続けられる職業ではないため、自ら進んでエクストラワークに取り組み、常に情熱を注いで業務に取り組む事の出来る候補者を面接時に見極めて採用するように心掛けているそうです。


将来アメリカのメジャースポーツチームでの活躍を目指している参加者の皆様にとっては、他のライバル達と差別化を図るために今後どのように努力を重ねて行くべきなのかを考え、恒常的な学習意欲を湧き起こす、非常に良い機会になったようでした。


ちなみに、Martone様より特別講義、及びその後に続く質疑応答を行って頂いた、関係者以外立ち入り禁止の球団オフィス内ミーティングルームの壁中には、MLB30球団のメジャー枠(40人枠)登録選手のネームプレートが所狭しと張られておりました。普段は、Brian Cashman GMを始めとする球団上層部の皆様が集まり、他球団とのトレードの可能性や、自軍選手のメジャー昇格・マイナー降格について、日夜を問わず激論を交わしている場所であると伺い、参加者一同は興奮を抑え切れない様子でした!


特別講義終了後は、引き続きMartone様のご案内の下、新Yankee Stadium内を視察致しました(ブログ上にアップし切れなかった数多くの写真は、こちらよりお楽しみ下さい!)。

Alex Rodriguez選手やMark Teixeira選手が試合前に入念なウォームアップを行うトレーニングルームです】


 Robinson Cano選手やC.C. Sabathia投手が試合前に気合を入れ、試合後にはリラックスするロッカールームは、旧Yankee Stadiumの2倍の広さを誇ります】



【今シーズン、黒田博樹投手が躍動するであろう新Yankee Stadiumのフィールド上にも一足お先に降り立つ事が出来ました!ちなみに、私達が訪問する1週間前の20111230日には、この同じフィールド上で、カレッジフットボールのNew Era Pinstripe Bowlアイオワ州立大学対ラトガース大学の試合が開催されました。オフシーズンのベースボールスタジアム活用法の一例ですね!】



 Babe Ruth氏やLou Gehrig氏、Yogi Berra氏といったヤンキースの栄光の歴史を語る上で決して外すことの出来ない伝説の選手達の記念碑や永久欠番の盾が飾られているモニュメントパークです!


 【歴代のワールドシリーズ優勝トロフィーやキャプテンのDerek Jeter選手が実際に試合で使用したサイン入りバットなど、全てのヤンキースファンにとって堪らない記念品の数々を見ることが出来るニューヨーク・ヤンキース・ミュージアムです!】


参加者一同は、普段アクセスする事の出来ないロッカールーム内やフィールド上、モニュメントパーク、New York Yankees Museumを視察した事で、改めてMLB No.1の名門球団であるYankeesの伝統と歴史を体感する事が出来ました。


31925日に実施する「アメリカ北東部スポーツビジネス研修プログラム」では、同じニューヨークを本拠地するNew York Metsを訪問しまして、9億ドル(約720億円)を掛けて建設され、2009年シーズンにオープンしたばかりのCiti Fieldを視察し、球団スタッフの方からの特別講義を受講する予定です。今回ご紹介したYankeesとはまた違ったMetsの編成システムや、今は亡きBrooklyn Dodgersの本拠地Ebbets Fieldをモチーフにしてデザインされたレトロ型ボールパークCiti Fieldの施設運営法をを学ぶ事の出来る内容となっております。将来、MLB球団への就職を目指す日米のスポーツ経営学専攻の学生様や、日本のプロ&実業団チームのスタッフの方からのご参加を是非お待ちしております!


Athletes Dream Management, Inc.ニューヨーク 三宮 伸也

2012年2月7日火曜日

アメリカ東部スポーツビジネス研修プログラム振り返りレポート11~York College of Pennsylvania

1月に実施しました「アメリカ東部スポーツビジネス研修プログラム」に関する詳細振り返りレポートの11回目は、研修4日目の201215日午後に訪問しました、York College of Pennsylvaniaに関してです。

York CollegePennsylvania州Yorkにあり、現在学生数は大学院生を含めて約9,000人程のアメリカでは中規模の地方私立大学です。

スポーツ経営学部が非常に優れていることで知られており、卒業生の多くはプロフェッショナルスポーツチーム&リーグやスポーツ用品メーカー、スポーツ施設、スポーツ経営学系教育機関へと就職しております。

また、カリキュラムの一環として、卒業前の1学期分をスポーツの現場でインターンする事が求められています。インターンは、New York  RangersNHL)やD.C. UnitedMLS)、Tampa Bay LightningNHL)、Madison Square Garden等で行われ、学生は卒業前にスポーツの現場を実体験することにより、卒業と同時に即戦力として活躍出来るようなプログラムが組まれています。

先ず始めに参加者一同は、York Collegeの学生が普段授業を受けているクラスルームで、Tim Newman教授による、「スポーツとソーシャルメディア」に関する講義を約1時間ほど受講しました。

Newman教授は、アジアやヨーロッパなど世界各国で数多くの講義を行っており、専門分野であるパブリック&メディアリレーションに関しては国際的にも非常に有名です。


現在、アメリカのプロフェッショナルチームの殆どが、何らかの形でTwitterやFacebook、YouTube等のソーシャルメディアを活用しており、それぞれ創意工夫を重ね、集客増加やチームの宣伝を行っています。


例えば、NFLチームCarolina Panthersは、チームマスコット専用のFacebookアカウントをオープンし、そのWall上で協賛スポンサーの紹介や、ファンとの交流を図っているそうです。多くの人々がソーシャルメディアを利用している現代だからこそ、非常に効果的な宣伝になりますね!


講義後は、校内のスポーツ施設を視察させて頂きました。





【施設内にはロッククライミングの設備があり、学生が体育の授業や休み時間等を利用して思い思いに楽しんでいるそうです。ロッククライミングの下の床はゴムで出来ており、いざ足を踏み入れてみると、見た目からは想像もつかない感触で、参加者一同驚きの声を上げておりました!】


【こちらは室内練習場です。降雪の多いYorkですが、運動部の選手達が冬季期間も練習に励むことが出来ます!】


【水温が室温と常に同じ温度に保たれているこちらのプールでは、主に大学の水泳チームが利用しますが、練習中以外には一般の学生も利用することが出来ます。】


 【屋外フィールドは2面あり、男・女サッカー、フィールドホッケー、ラクロスの試合に利用されます。】


【こちらは大学内のジムですが、バイクだけでも沢山ありました!!】

York Collogeのように地方にある中規模の大学であっても、これだけのスポーツ施設が整っている事に、参加者の皆様は非常に驚いている様子でした!また、スポーツ経営学部が有名な大学ということもあり、学生の時からプロフェッショナルスポーツチームの現場で実体験を積むことが出来るという環境の良さに、留学を真剣に考え始める参加者もいたほど、刺激を受けている様子でした!!!

それでは、引き続き振り返りレポートをお楽しみ下さい!
(3月実施予定の「アメリカ北東部スポーツビジネス研修プログラム」へのお問い合わせ・お申し込みはこちらからどうぞ!)


Athletes Dream Management, Inc. ニューヨーク 川上