2011年12月23日金曜日

秋学期終了

Southeast Missouri State Universityの浅野勝成です。
前日にファイナル(期末テスト)が終わり、久しぶりに日本へ帰ります。ミネアポリスの空港から綴らせて頂きます。


今学期は、授業・勉強とボランティアとしての実習に時間のほとんどを費やしました。実習は約3カ月で240時間以上行いました。それに加えて授業・勉強、トレーニング、クラスの一環での高校での実習(ATの下に付いたので、実習というよりは観察でした)ということも考えれば忙しかったはずです。
しかしながら、本当にたくさんの知識や経験を得ることが出来ました。反面、まだまだと思う事、悔しいと思う事も多々ありました。


悔しいと思う事は、やはり英語です。
コーチングでうまく選手に伝えられなかったり、発音が悪いのをバカにされたりと、いろいろとありました。ただ、それで終わっていてはもちろん意味がないので、他のコーチの言い方を真似たり、発音を教えてもらったりして、常に改善を心掛けています。


この冬は約2年半振りに日本へ帰りますが、その間にも勉強は多少なりとも続けていくつもりです。1カ月後にはまた実習が始まるので、休みの間に知識を少しでも詰め込んでおこうかと思います。


話は変わりまして、以前の記事で書いた、今学期の目標について。
目標の一つである、スクワット160kgを達成することが出来ました。スクワットを中心にトレーニングしたおかげで、高校時より体重は増えているのにジャンプ力も高校時と同じくらいまで戻ったというおまけ付きです。
GPAは来週に出るので、楽しみでもあり、不安でもあります。


あと3時間ちょっと後には日本行きの飛行機に乗り込みます。
それでは今年、私が綴らせて頂いた記事を読んで頂き、ありがとうございました。
来年も宜しくお願い致します。



Southeast Missouri State University
浅野 勝成

2011年12月18日日曜日

連日の朗報です!


昨日更新しましたブログの最後に「実は現在、別の某MLB球団様にも協力を打診しておりまして・・・」と書きましたが、こちらたった今、担当者様とお話させて頂き、正式に快諾のお返事を頂きました!
皆様、心の準備は宜しいでしょうか?
それでは、発表させて頂きます!


本日、新たに「アメリカ東部スポーツビジネス&セカンドキャリア研修プログラム」に正式にご協力して頂けることになった「某MLB球団様」とは・・・・・









そうです、MLBニューヨーク・ヤンキースです!


改めての説明は不要かと思いますが、MLBだけでなく、NFLNBANHLを含めた北米メジャープロスポーツリーグ所属の全チームの中で最多優勝記録(27回)を誇り、2011年シーズンに主催したホームゲーム全81試合で、MLB2位の観客数3653,680人を動員し(ちなみに第1位は、昨日研修先に追加することが決定したフィラデルフィア・フィリーズの368718人です!)、Forbes誌が毎年発表する「The World’s Most Valuable Sports Teams」の2011年ランキングで、マンチェスター・ユナイテッド(プレミアリーグ)、ダラス・カウボーイズ(NFL)に次いで世界第3位(資産価値17億ドル:約1360億円)にランクされている、あの名門球団ニューヨーク・ヤンキースです!


本日、お話させて頂いたのは、ニューヨーク・ヤンキースのベースボール・オペレーション部署にてアシスタントを務めており、選手の個人成績や試合映像、全スカウトからの日々のレポートを統括し、選手補強やメジャー昇格・降格など、チーム編成全般に対する助言をブライアン・キャッシュマンGMに行う立場である、Steve Martone氏です。


Martone氏との打ち合わせの中で、研修当日には先ず、15億ドル(約1200億円)の費用をかけて2009年にオープンしたばかりの新ヤンキースタジアム(収容人数5297人)を訪問することになりました。


モニュメントパーク(ベーブ・ルース選手やルー・ゲーリック選手といったヤンキースの歴史を語る上で決して外すことの出来ない伝説の選手達の記念碑や永久欠番の盾が飾られています)や、ニューヨーク・ヤンキース・ミュージアム(歴代のワールドシリーズ優勝トロフィーやキャプテンのデレク・ジーター選手が実際に試合で使用したサイン入りバットなど、全てのヤンキースファンにとってはたまらない記念品の数々を見ることが出来ます)は勿論のこと、普段アクセスすることの出来ない、ロッカールーム(旧ヤンキースタジアムの2倍の大きさ!)や記者席、また新スタジアムになってから大幅に増設されたスイートルームなどを視察する予定です。



【ベースボールファンであれば、死ぬまでに一度は訪れてみたいモニュメント・パーク!】


 そして、今回の「アメリカ東部スポーツビジネス&セカンドキャリア研修プログラム」の参加者の皆様のためだけに、Martone氏よりスピーチを頂けることになりました!MLB球団の中で最大の予算を誇り、常に最前線を走るヤンキースの球団編成システムや、世界のスポーツビジネス業界の中でも特に優秀な人材が集まり、そのため就職するのが非常に困難を極める、と言われているヤンキースでいかに職を得ることが出来たのか、など日本のプロ&実業団チームの編成部スタッフ様や、MLB球団への就職を目指す日米のスポーツマネジメント専攻の学生様にとって、決して聞き逃すことの出来ない内容になること、間違いございません!



【輝かしい歴史を彩る数々の記念品を目の前で拝むことが出来るニューヨーク・ヤンキース・ミュージアム!】


昨日のMLBフィラデルフィア・フィリーズ球団様、及びアシスタントGMScott Proefrock氏からの研修プログラムへのご協力をお知らせするブログを更新してから、早速1名様の追加参加が決定致しました(その他にも多数のお問い合わせ、誠にありがとうございます)!定員数到達まで残りわずかの枠を残すのみとなりましたので、研修プログラムへの参加を検討されている方がいらっしゃいましたら、是非ともお早めにご応募下さい応募締め切りは日本時間1220日火曜日です)!


私達Athletes Dream Management, Inc.は心の底から、この研修プログラムが、日本スポーツ界の健全発展に寄与すると信じております。また、参加者の皆様にとって、今後の人生に大きなインパクトを与える体験になると、自信を持って断言出来るコンテンツを構築したと自負しております。


勿論、研修期間中は参加者の皆様が対価以上の価値を見出して頂けるよう、私、ニューヨークスタッフ三宮が24時間付きっ切りのサポート、及び日本人MLB選手のマネジメント業務についての詳細をお話させて頂くつもりでございます。少しでも多くの皆様に、是非私達と同じ感動を味わって頂きたいと考えておりますので、楽しみにしていて下さい。


それでは、2012年のスタートを皆様とご一緒に切れることを心より楽しみにしております!



Athletes Dream Management, Inc.ニューヨーク 三宮 伸也


2011年12月17日土曜日

突然ですが、速報です!


昨日応募を締め切らせて頂きました、「アメリカ東部スポーツビジネス&セカンドキャリア研修プログラム」ですが(沢山のお問い合わせ&ご応募、誠にありがとうございました!)、本日急遽、新たな研修先の追加が決定致しました!


新たに追加された研修先は、MLB球団フィラデルフィア・フィリーズです!そうです、ロイ・ハラデー投手や、クリフ・リー投手、チェイス・アットリー選手、ライアン・ハワード選手といったスーパースターを擁するMLB屈指の強豪球団の、あのフィリーズです!!5年連続(20072011年)でナ・リーグ東地区優勝を果たしており、2008年には28年振りにワールド・チャンピオンに輝いた、あのフィリーズです!!!

 South Philadelphia Sports Complexの一角を成す、フィリーズの本拠地Citizens Bank Park。常にフィリーズファンで超満員です!】



そして、今回の研修中には全米屈指のスポーツ都市フィラデルフィアの中で、中核的な役割を果たしているSouth Philadelphia Sports Complexの一角を成す、フィリーズの本拠地Citizens Bank Parkを視察するだけでなく、な、な、な、な、なんと、アシスタント・ゼネラル・マネージャー(以下、アシスタントGM)のScott Proefrock氏よりスピーチを頂けることになりました(スピーチ後の質疑応答付き)!MLB球団の現役アシスタントGMから直接お話を伺うことの出来る機会は、一生に一度あるかないかの出来事だと言っても過言ではありません!!!



それも、Proefrock氏はただのアシスタントGMではなく、フィリーズやアトランタ・ブレーブスにて常勝球団を築き上げたその手腕から、MLBの世界において、他球団の役員クラスからも一目置かれる存在なのです(実際に今オフシーズンには、ボルティモア・オリオールズのGM職の最終候補まで残っていました)。Proefrock氏と実際に対面してお話を伺うことは、アメリカのベースボール業界で働いている人達にとっても、なかなか叶うことではないのです!


そのProefrock氏が、選手獲得などで超多忙な1月初旬にもかかわらず、今回の「アメリカ東部スポーツビジネス&セカンドキャリア研修プログラム」の趣旨に賛同して下さり、ご協力して頂けることになりました!これは本当に前代未聞です!!!(すいません、興奮し過ぎです・・・)

 MLBフィラデルフィア・フィリーズのアシスタントGMを務め、他球団からも尊敬を集めるScott Proefrock


Proefrock氏の輝かしい経歴を簡単に紹介しますと、
  • 1988 マサチューセッツ州立大学スポーツマネジメント大学院を卒業。Proefrock氏自身はプロ野球選手としての経験はなく、大学院生時代の19878月に、ピッツバーグ・パイレーツによってマーケティング部インターンとして採用されたことをきっかけに、ベースボール業界へと足を踏み入れる。   
  • 198912 パイレーツのスカウティング&選手育成部アシスタントへと昇格。後にタンパベイ・デビルレイズ(現タンパベイ・レイズ)の初代GMに就任したChuck Lamar氏の下で経験を積む。
  • 1991 直属の上司であったLamar氏がアトランタ・ブレーブスに引き抜かれたことをきっかけに、Proefrock氏自身もブレーブスへと移籍する。1995年までスカウティング&選手育成部アシスタントディレクターを務め、90年代のブレーブス黄金期の礎を築くことに貢献する。
  • 19957 Lamar氏と共に新設球団タンパベイ・デビルレイズへと移籍し、ベースボール・アドミニストレーション(球団編成部)のディレクターに就任。
  • 19971 アシスタントGMへと昇格。デビルレイズにとっての初年度となる1998年シーズン開幕に向けて、選手補強に尽力する。
  • 200510 新オーナーによってLamar氏がGM職から解雇されたことを受け、Proefrock氏もデビルレイズを離職。
  • 2006 ボルティモア・オリオールズによって、ベースボール・アドミニストレーションのディレクターとして採用される。選手トレード、FA選手の獲得、調停、契約交渉、選手育成、スカウティングに関して、GM、及びアシスタントGMを補佐する。
  • 200811 フィラデルフィア・フィリーズのアシスタントGMに就任。2009年シーズンオフには、Ruben Amaro Jr.ゼネラル・マネージャーと共に、トロント・ブルージェイズからトレードで、ロイ・ハラデー投手の獲得に成功する。


【フィリーズのエースとして活躍するロイ・ハラデー投手獲得に対するProefrock氏の貢献度は多大です!】



アメリカ東部スポーツビジネス&セカンドキャリア研修プログラム」ですが、実はまだ若干名定員が空いております。加えて、このような素晴らしい機会をフィリーズ球団様より頂いたため、少しでも多くの方にこの感動を味わって頂きたく、急遽、応募締め切りを日本時間1220日火曜日まで延長することを決定致しました。


今後、このようなMLB球団の現役アシスタントGMの方と対面し、直接お話を伺える機会をコーディネート出来るか、正直に言いまして断言は出来ません。是非とも一人でも多くの日本のプロ&実業団チームの編成部スタッフ様や、MLB球団での活躍を目指すスポーツマネジメント専攻の学生様(勿論、アメリカ留学中の学生様からの参加も大歓迎です!)のご参加をお待ちしております!


実は現在、別の某MLB球団様にも協力を打診しておりまして、こちらも前向きなお返事を頂けそうな雰囲気です。明日には正式に発表することが出来ると思いますので、こちらも是非お楽しみに!


以上、興奮を抑え切れず、いつも以上に「!マーク」の使用頻度が多い、Athletes Dream Managementニューヨークの三宮伸也でした!!!!!



2011年12月15日木曜日

新NYスタッフ川上佳奈からご挨拶と自己紹介



初めまして。

12月よりAthletes Dream Management inc. NYオフィスでインターンを開始致しました
川上佳奈と申します。まだインターンを開始し、2日しか経っておりませんが、
少しずつ勉強を積んでおります。実は私は今回がNY上陸となり、
こちらの冬の寒さに既に凍えておりますが、それ以上に興奮と希望で満ち溢れております。
少しばかり自己紹介をさせて頂きます。


私は、姉の影響を受け6歳から地域のクラブチームでバレーボールを始めました。
そこからはスポーツ(バレーボール)人生です。放課後はほぼ毎日練習に明け暮れていました。
厳しかったのは練習だけではなく、人に対する感謝の心や思いやり、礼儀について
非常に細かく指導していただきました。
そういった事がチームスポーツをする上で試合中に現われ、チームワークが生まれ、
見ている人々を感動させるようなプレーができるのだと教わりました。
今気づけば、これこそが私が今ADMに居る理由の一つだと思います。
スポーツは人を感動させ、人の心を動かし、人に勇気を与える。それが社会に循環する。
私はそんな一員で居たいと思います。
結果としては、小学生では全国大会ベスト8、中学生、高校生ではベスト4以上。
17歳で全日本Jrチーム(U-18日本代表)に選抜され、多くの海外遠征を経験し、
アジア選手権で個人賞を受賞した事で、将来は海外でバレーボールがしたいと
思うようになりました。



大学では、大学バレーボール史上初の5(全大会制覇)達成し、大学日本代表として、2度ユニバーシアード大会に出場。








私はリベロというポジションでディフェンス専門です。ユニフォームの色が違うのが特徴の一つです。→





大学卒業後は単身でヨーロッパに渡り、ヨーロッパリーグに参戦。スイス一部リーグで優勝を果たす。












様々な国から集まった選手の中でプレーした事は非常に良い経験、また勉強になりました。











帰国後は、飛行機に乗る事が好きな事から、スカイマーク株式会社に入社し、
地上職兼客室乗務員として2年間、素晴らしい仲間に囲まれながら仕事をしておりました。
この2年間を通し、最終的に私が気づいた事は、やっぱりスポーツが好きだ
という事でした。
私が17歳で海外に出てバレーボールがしたいと思った時には、まだまだ手段が少なかった為、
一旦諦める結果となりました。その時の悔しさが忘れられない事から、
他のアスリート達に私と同じ思いをして欲しくはないと思い、夢に向かって突き進む
アスリートを、一人でも多く支えていけるよう日々勉強を積んでいきたいと思います。

スポーツは私の人生です。支えです。これを一人でも多くの方に伝えていけるよう
励んで生きたいと思います。そんな形でスポーツ界に少しでも恩返しができればと思っております。
当ブログ上でも様々な発信をして行きたいと思っております。


皆様、宜しくお願い致します!!


川上佳奈

2011年12月13日火曜日

アメリカ東部スポーツビジネス&セカンドキャリア研修プログラムの視察・訪問先ご紹介③Part2「Under Armour Headquarter」


常に新たな挑戦を続けるUnder Armourでは、近年、アメリカンフットボールや野球といったアメリカにおけるメジャースポーツだけではなく、ゴルフやスノーボードといった競技をプレイするアスリートのための商品ラインも充実させています。


また、2002年からは女性専用パフォーマンス・アパレルライン、そして2006年からは全世界で180億ドル(約14000億円)市場と言われながら、これまでNikeAdidasといった大企業が独占して来た、スポーツシューズ市場への参入も開始しています。




Under Armourのパフォーマンスギアとシューズを身に着けてトレーニングに励む、アルペンスキーの金メダリストLindsey Vonn選手】



これに加えて、Under Armour社では、「Power In Pink」(女性のための乳がん撲滅支援活動)、「UA Freedom」(退役軍人への支援活動)、「UA Green」(リサイクルや節約などを通した環境保全活動)、「UACombine」(ユース年代を対象としたリクルーティング支援活動)を通して、積極的な社会貢献活動にも取り組んでいます。


【「Power In Pink】が主催するマラソンイベントを完走した乳がん克服ランナー】



今回の「アメリカ東部スポーツビジネス&セカンドキャリア研修プログラム」中には、実際にボルティモアにあるUnder ArmourHeadquarterを訪問し、Sports Marketing部門の責任者の方からグローバルな展開を見せる企業戦略や、各国の市場による商品ラインの違い、スポーツシューズ市場参入の経緯・戦略などについてのお話を伺ったり、Product Development部門にて実際にパフォーマンス・アパレルやシューズが製造されている生の現場を視察したりする予定です。


また、Headquarter内にはアスリートのためのトレーング施設「Under Armour Combine Training Centerも併設されておりますので、運が良ければプロアスリートにも遭遇出来るかも知れません!実際、私がHeadquarterを訪問した数日前には、ロックアウト中のために所属チーム内のトレーニング施設を使用することが出来なかったNBA選手がトレーニングを行っていたそうです。


 Under Armour Combine Training Center内のバスケットボールコート。NBA選手は勿論のこと、普段は社員の方が仕事後に汗を流しています!】



Under Armour Headquarter内部のより詳しい様子は、是非ともこちらのADM Facebook上のアルバムよりご覧下さい(勿論、三宮のコメント付きです)!


卒業後にグローバル・スポーツアパレルメーカーへの就職を考えている学生様や、将来、独立して経営者になることを目指す社会人の皆様、最新スポーツマーケティングを研究されてる教育関係者の皆様に、是非とも訪問して頂きたいですね!


アメリカ東部スポーツビジネス&セカンドキャリア研修プログラム」への応募締め切りは、今週金曜日(1216日)までとなっておりますので、是非ともお早めにお問い合わせ下さい!

それでは、引き続き、次回の視察・訪問先のご紹介もご期待下さい!


Athletes Dream Management, Inc.ニューヨーク 三宮 伸也

2011年12月11日日曜日

アメリカ東部スポーツビジネス&セカンドキャリア研修プログラムの視察・訪問先ご紹介③Part1「Under Armour Headquarter」


引き続きまして、「アメリカ東部スポーツビジネス&セカンドキャリア研修プログラム」の視察・訪問先のご紹介です。今回は、パフォーマンス・アパレルメーカーUnderArmourHeadquarterのご紹介です。


Under Armourは、1996年にメリーランド大学の卒業生であるKevin Plank氏が25歳という若さで創業し、僅か15年という短い歴史にもかかわらず、NikeAdidasといった世界的に有名なスポーツアパレルブランドを脅かす存在へと急成長している、アスリートのためのパフォーマンス・アスレティックブランドです。MLBNFLといったアメリカのメジャースポーツ選手やカレッジスポーツチームだけでなく、福留孝介選手や阿部慎之助選手、松田宣浩選手といった、数多くの日本人トップアスリートやプロ&実業団チームも、Under Armourブランドと専属契約しています。


それでは先ず、Under Armour社の創業からの軌道に乗り始めるまでの歴史を簡単に振り返ってみます。


199596年:新素材の発見、そして設立   
  • メリーランド大学フットボール部でプレイしていたKevin Plank氏は、大量の汗を吸収することで重くなってしまうコットン製T-Shirtsを、試合中やトレーニング中に何度も着替えなければならないことに嫌気が差していた。しかし、それと同時にPlank氏はあることに気が付いた。それは、体に密着しているアメフトのショーツ(下のユニフォーム)は、コットン製T-Shirtsとは逆に、常にドライな状態を保っていることであった。ショーツと同じような素材を利用してT-Shirtsを作ることが出来れば、汗をかいても重くなることがなくなるため、アスリートのフィールド上でのパフォーマンス向上に繋がるのでは?と、Plank氏は考え始めるようになる。
  •   地元メリーランドの生地店を幾つか周る中で、ショーツと同じように体に密着しながらも伸縮し、尚且つ湿気を吸い取るのではなく、外に逃がす特性を持った合成繊維を発見することに成功する。早速、Plank氏は、500ドル(約4万円)を出し、合成繊維を用いた7種類のサンプルT-Shirtsを製作し、メリーランド大学のチームメイトに試着してもらうようにリクエストする。しかし、光沢があり、女性用下着のようなT-Shirtsを目の前にして、チームメイトの多くが着用することに抵抗を見せていた。渋々ながら着用してみると、コットン製T-Shirtsに比べて肌触りが良いだけでなく、練習中にいくら汗をかいても重くならないため、それまで以上に体が動くことを実感する。次第にチームメイトの意見がポジディブなものへと変化を見せ始める。Plank氏はチームメイトから寄せられた多数の意見を基に、更なる改良を加える。
  • 卒業が近づき、他の同級生が就職活動に勤しむ中、Plank氏は、同じくメリーランド大学でラクロス選手として活躍していたKip Fulks氏(現Vice President of Production)と共に、ワシントンD.C.にある祖母の家の地下室に閉じこもり、新素材T-Shirtsの可能性とこれからの販売計画について、一日中話し合っていた。19965月に無事メリーランド大学を卒業したPlank氏は、クレジットカードローンやこれまで貯蓄などで、4万ドル(約320万円)の資金をかき集め、ついに会社登録を行う。正式にUnder Amour社が誕生した瞬間である。
  • 最初はトラックの荷台にありったけの新素材T-Shirtsを詰め込み、アメリカ中の大学を訪問販売して周る日々を過ごす。また、高校やPrep School4年制大学への準備期間のために入る学校)時代のチームメイトを通して、フットボール強豪大学やNFLチームに新素材T-Shirtsの郵送を開始する。
  •  Under ArmourT-Shirtsを着用しているオークランド・レイダースQBJeff George選手の写真が、アメリカ全国紙USA Todayの一面に掲載される。これがきっかけとなり、徐々に一部のアスリートの間で、Under Armourブランド名が知れ渡るようになる。
  • USA Today紙上の写真を偶然目にしたアメフトの強豪校・ジョージア工科大学の用具マネージャーがUnder Armour製のT-Shirtsに興味を持ち、60枚を電話注文したのが一番最初の大学フットボール部とUnder Armourとの契約である(用具マネージャーは、350枚購入したいとPlank氏に伝えたものの、当時Plank氏は全部で60枚しか新素材T-Shirtsを在庫に抱えていなかった)。その後、ジョージア工科大学から広まったポジティブな評判を聞きつけたノースカロライナ州立大学と、Prep School時代の同級生がプレイしていたアリゾナ州立大学が後に続くようになる。
  •    設立1年目の1996年度末までに、500枚のT-Shirtsを販売し、約17000ドル(約150万円)の売り上げを記録する。Plank氏とFulks氏が祖母の地下室を飛び出し、初めてボルティモアにオフィスを構えたのもこの時期である。


【創業者のKevin Plank氏(左)と、2011NFLドラフト全体1位のCam Newton選手(カロライナ・パンサーズ)】



199799年:ブレイクスルー
  • 2年目の1997年には、汗を逃がすT-Shirtsに加えて、HeatGear(気温24以上を想定した夏用トレーニングウェア)、ColdGear(気温13以下を想定した冬用トレーニングウェア)、AllseasonGear(気温1423を想定した通年トレーニングウェア)というように、商品ライン数を増やし始める。ファッション性を重視した他メーカーとの差別化を図り、アスリートの技術力向上を目的とした「パフォーマンス・アパレル」メーカーとしてのアイデンティティーを確立する。Under Armourの機能性の素晴らしさが、プロ、及び大学アスリートの口コミのみで広がり始める。1997年度末までに、商品ライン全体で合計7,500枚の売り上げを記録する。
  • 1998年は結果的に、Under Armourにとって極めて重要な年となった。先ず、今は亡きNFL Europeと公式サプライヤー契約を凍結する。また、この年の夏には、Under Armourの成長に合わせるように、5,000スクエアフィート(465)の新しい社屋にオフィスを移動する。
  • Plank氏がロサンゼルス在住の映画キャスティング・ディレクターにサンプル商品を送ったことがきっかけで、アル・パチーノ、キャメロン・ディアス主演のフットボールを題材にしたハリウッド映画「AnyGiven Sunday」内で、Under Armour製のウェアやユニフォームが映画用の衣装として使われることが決定する。またその後、キアヌ・リーブス主演のフットボール映画「TheReplacements」とも、Under Armourはコスチューム提供契約を結ぶことに成功する。映画上の重要な場面でUnder Armour社製のトレーニングウェアが映し出されており、映画公開と同時にそれまでコアなアスリートの間でしか知られていない存在であったUnder Armour社のブランド名、及びロゴが一般層まで広く知れ渡るようになり、売り上げが激増した。
  • 1999年度末には、25万枚のアパレル商品の売り上げを記録した。また、この時までには、MLB所属の8球団、ほとんどのNFLチーム、NHL所属4チーム、そして数多くの大学チームと、Under Armour社はウェア提供契約を凍結する。この年、Under Armourの売り上げが初めて100万ドル(約8000万円)を突破し、創立3年にしてPlank氏は自分自身に給料を支払えるようになった。

Under Armourが一般層にまで知れ渡るきっかけとなった、アル・パチーノ、キャメロン・ディアス主演のハリウッド映画「Any Given Sunday」】



このように、チャレンジを繰り返す中でUnder Armour社は徐々に成長を遂げ、現在では年収10億ドル(約800億円)を突破し、従業員3,900人を抱え、世界中で23,000店舗のスポーツ用品専門店で商品が販売されるまで発展を遂げました。Under Armourブランド急成長の裏には、創設者であるPlank氏自身の元フットボール選手としての経験から来る、全てのアスリートが抱えるパフォーマンスを少しでも向上させたいという熱い想いや、自分の信じたプロダクトを世の中に広めるための重ねて来た不断の努力が隠されているのです。


Part2に続く)
Athletes Dream Management, Inc.ニューヨーク 三宮 伸也